福岡ソフトバンクホークスが前東京ヤクルトウラディミール・バレンティン外野手(35)の入団を発表した。ヤクルト時代の通算打率は2割7分3厘、288本塁打、763打点。その9年間のうち、30本以上のホームランを記録したシーズンは8回。しかも、2020年からは外国人選手枠の対象から外れる。デスパイネ、グラシアルなど所属の外国人選手と併用できる。これは大きい。

 「バレンティンを獲得しなくても優勝できるだろ?」

 他球団からそんなやっかみも聞こえてきそうだ。日本シリーズ覇者のホークスが「これでもか!?」と言わんばかりにバレンティンを獲得した理由は、前述のデスパイネ、グラシアルにあると伝えられてきた。今さらだが、2人ともキューバ政府派遣の選手である。

 「デスパイネ、グラシアルが2020年シーズンも来日するのかどうか、まだ確実になっていません。今さらですが、2人は政府や現地の野球連盟からなる担当セクションの許可がなければ、2020年の来日はない。その答えが出るのは12月中旬以降とされており、どちらか一方でも許可が下りなかった場合、そこから代わりの選手を探すのは困難だから、保険的な意味合いもあって、バレンティンと契約した、と」(プロ野球解説者)

 しかし、バレンティンの獲得は先行き不透明なキューバ派遣選手の保険、さらなる打線強化を目指してのことだけではなかった。

 「他のレギュラー選手、つまり、日本人選手が弾き出される可能性が高くなりました。というか、バレンティン獲得の真の狙いはそこにあったのでは?」

 これは、ライバル球団のスタッフから出た言葉だ。

 デスパイネ、グラシアルの2人が残留すると想定し、バレンティンを含めた来季のスタメンを予想すると、弾き出される日本人選手が見えてきた。バレンティンとデスパイネは、外野か指名打者グラシアルは外野守備もできるが、“本職”は内野だ。一塁か、三塁の守る選手である。

 「19年は外野手から立て続けに故障者が出たため、グラシアルにも外野を守ってもらいました」(スポーツ紙記者)
 バレンティン、デスパイネも故障の多い選手だが、ともに元気であれば、2人が外野の一角と指名打者ポジションを分け合うことになるだろう。外野のレギュラーとして思い浮かぶのは、柳田、中村、上林。柳田は外せないだろう。中村、上林の両方の調子が悪ければ、グラシアルを外野で使い、どちらかが打撃好調ならば、グラシアルは内野へ。グラシアルが守れる内野は一塁か、三塁。つまり、一塁の内川聖一(37)か、三塁の松田宣浩(36)のどちらかが外されるわけだ。

 「松田は19年シーズンが終了し、4年契約が満了しました。19年シーズンは30本塁打を放つなど元気なところを見せてくれましたが、打撃不振に陥ると長引くタイプ。内川は代打に回ることも多くなりました」(前出・同)

 バレンティンの加入で内川、松田のいずれかが弾き出される。

 「19歳の内野手・野村大樹に期待しているという話も聞かれます。野村が内川、松田を脅かすようになるまでの繋ぎ役としてバレンティンを獲得したのでしょう」(選出・プロ野球解説者)

 贅沢な補強の目的は、世代交代にあるようだ。(スポーツライター・飯山満)

バレンティン