12月22日(日)、令和最初の漫才頂上決戦「M-1グランプリ2019」(夜6:34-10:10、ABCテレビ・テレビ朝日系)が放送される。
【写真を見る】「かなり違うシステム」の漫才で勝負をかけるぺこぱ
過去最多エントリーとなった今回、5040組による激戦を勝ち抜き、決勝までコマを進めたのは、インディアンス、ミルクボーイ、オズワルド、見取り図、かまいたち、ぺこぱ、からし蓮根、すゑひろがりず、ニューヨークの9組。見取り図、かまいたち以外の7組が決勝初出場というフレッシュな顔ぶれがそろった。
ここに、同日昼1時55分から生放送の「M-1グランプリ2019 敗者復活戦」を制した1組が加わり、全10組で優勝賞金1000万円と漫才師No.1の称号を競う。
WEBザテレビジョンでは、ファイナリスト9組にインタビューを実施。令和初の王者を狙う芸人たちの思いを、決勝前日まで9日間連続で掲載中。
8組目は、サンミュージックプロダクション所属、2008年結成のぺこぱ(シュウペイ、松陰寺太勇)。2018年準々決勝進出、「ぐるナイ!おもしろ荘」(2019年、日本テレビ系)では優勝に輝き、今大会が初めての決勝進出となる2人にとっての「M-1」とは。
■ 「決勝に行くっていうビジョンしか描いてなかった」
――決勝進出を決めた今のお気持ちを聞かせてください。
シュウペイ:うれしいのはもちろんですが、去年のM-1の準々決勝で敗退したとき、2人で「次のM-1で決勝に行く」と決めたので、その目標が達成できてよかったです。そういう目標を立てたのが初めてだったので。
松陰寺太勇:「信じられない!」ってよく聞く言葉だし、自分でも言いますが、本当に“信じられないこと”なんてなかったんです。「これはありえるな」「信じられないってことはないな」と思ってきました。でもこのM-1決勝進出だけは、本当にまだ信じられないです。準決勝の翌日も普通にバイトを入れていましたし。
シュウペイ:僕は絶対決勝に行くと思っていたので、翌日は完全オフにしてました。キャラ的に、逆の方が説得力ありますよね(笑)。決勝に行くっていうビジョンしか描いてなかったので、今年はそれがかなっていくのが楽しくて。
松陰寺:翌日は空けておく、なんて勇気は残ってなかったです。もちろん決勝に行く!という気持ちでやっていましたが、期待をしすぎて傷つく自分を受け入れられないし、傷ついても流す血さえもうない!
だから傷つかないように、普通にスケジュールを組んでいました。決勝までの間にもいっぱいバイトのシフトを入れちゃってるので、「決勝行ったんでバイト休みます」と言わなきゃいけないですね。バイト休みます、ってこんなに自信持って言うのは初めてです。
■ 「いい漫才ができるといらなくなる」
――自分たちの強み、持ち味はどこだと思いますか?
シュウペイ:ぺこぱが生み出した、ぺこぱにしかできない漫才です。
松陰寺:普通の漫才とは少し…いや、かなり違うシステムで作ってきたので。それをたくさんの人に見てもらえるのがうれしいし、楽しみです。相方の素の面白さは伝わるまでにちょっと時間がかかるかもしれませんが、ハマったらめちゃくちゃ面白いですし。
僕はこれまで何かキャラがほしくて、着物を着たり、ローラーシューズを履いたり、化粧をしたりといろいろしてきたんですが、いい漫才ができるとそういう部分が要らなくなってくるんですね。でも、「着物を着てたら決勝には行けなかっただろうな」と思っていたら、今年着物が2人(すゑひろがりず)もいる! そういうことじゃなかったんですね(笑)。
――他のファイナリストの中で意識しているコンビは?
松陰寺:全員がライバルですが、“元・着物”としてはすゑひろがりずさんは意識しますね。
シュウペイ:僕らが一番知られてないと思うので、テレビにたくさん出ていたり、決勝経験者でもあるかまいたちさん、見取り図さんと最終決戦で戦って勝ちたいです。
――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビはどこですか?
松陰寺:脅威というか一番戦いたいのは、昔から一緒にやっていて仲のいいトム・ブラウンです。敗者復活組は、上がってくる時点で勢いにノってますもんね。ミキはネタにも勢いがあるし、そのままノってきそう。
シュウペイ:和牛さんもいるからな…。和牛さんは準決勝でやっていない勝負ネタがありそうなので、上がってきてその勢いでドンドーンと行かれてしまいそうで怖いです。
■ 「いいところまで行けるという確信があった」
――優勝賞金1000万円の使い道は?
シュウペイ:元ギャル男なので、クラブを貸し切って、オーガナイザーとして「シュウペイパーティー」を開催したいです。
松陰寺:誰が行くんだよ(笑)。僕は自主制作で音楽のCDを出していまして。賞金でプロのミュージシャンにお願いして、ちゃんとしたレコーディングスタジオで録音した本気のアルバムを作りたいです。
――2019年を振り返って、一番つらかったことや苦労したことは何ですか?
シュウペイ:今年の元旦に「ぐるナイ!おもしろ荘」(日本テレビ)で優勝した後、周りから「もう売れるんだろ」だとか、「バイト辞めなくていいの?」と変に気をつかわれたりしたんです。「テレビ出ないの?」「結局、売れてねーじゃん」などと言われるときに、芸人ノリで返すのがしんどかったですね。
松陰寺:今年は正直つらくなかったです。いまやっている漫才を極めればM−1のいいところまで行けるなという確信があって、その分やることが明確だったので。それまでの何をやったらいいか分からずに、漠然とライブに出ていたころの方がつらかったです。
■ 「一日で人生を変えたい」
―― M-1出場に向けて、周囲の芸人や先輩芸人の方などから何かアドバイスはありましたか?
シュウペイ:「おもしろ荘」終わりでナインティナインの岡村(隆史)さんにごあいさつに行ったら、「着物じゃない方がええんちゃう」と言ってくれたんです。
それまでも周りにそう言われることがあったんですが、着物を脱いじゃうと笑いが取れないんじゃないかと怖かった。岡村さんの言葉が、スーツに変える後押しになりました。
松陰寺:事務所の先輩でもある僕らの師匠・TAIGAさんにも「今のネタだったら着物じゃない方がいい。スーツの方が伝わる」と言われて。
シュウペイ:千鳥の大悟さんに、「お前らM-1決勝(進出)あるから、そのネタ隠しておいた方がいいぞ」と言ってもらえたのも大きかったです。隠すようなネタができたこともうれしかった。
松陰寺:隠すこと自体が初めてで。今までは2~3回戦で全力フルスイングしていたんですが、去年初めて準々決勝まで行けた時に、この段階まで一番強いネタを持っておかないといけないんだと思ったんです。なので今年はどこでどのネタを出す、と作戦を立てて臨みました。
――最後に…M-1グランプリ・決勝へ向けた意気込みを一言で!
シュウペイ:やっと全国の人に知ってもらえるチャンスなので、一日で人生を変えたいです。
松陰寺:優勝します! 決勝の翌日はちゃんとバイト休みにしておきます!
――ありがとうございました!
なお、本番のネタ順は2017年より導入された笑神籤(えみくじ)方式。毎回クジを引き、呼ばれたコンビがそのままネタを披露。1組ずつネタ順が決定していくことになる。さらに今回からの新ルールとして、笑神籤の中から「敗者復活組の札」が選ばれた時点で敗者復活組が発表される。(ザテレビジョン)
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