役者にとって“転機”となる作品というのがある。「ドラマに出て注目されて、大ブレイク」というケースや、「あの舞台で新たな芝居の方法を見つけた」、「スタッフキャストに恵まれて」という場合もあるだろう。

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12月21日(土)に最終回となる田中圭主演の土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ-in the sky-」(毎週土曜夜11:15-0:05、テレビ朝日系)の出演が、今後、その俳優にとって“転機”となるのではないかと思わせる人物がいる。千葉雄大だ。(以下、第7話までのネタバレがあります)

■ 千葉が演じるのは性格に難がある副操縦士・成瀬

小型犬のような潤んだ瞳を持ち、透き通るように白い小顔の千葉は、永遠の10代のようにも思えるが、ことし3月9日誕生日で30歳を迎えた節目の年。

千葉がドラマおっさんずラブ-in the sky-」で見せる演技には「可愛すぎる」「あんなお顔で見つめられたら息できなくなる」「千葉くんの動きひとつひとつから目が離せない」との声が集まり、視聴者を魅了している。

演じる成瀬竜という役は、舞台となる「天空ピーチエアライン」の副操縦士で、主人公の客室乗務員・春田(田中圭)と同じ寮に住む男性だ。機長の黒澤(吉田鋼太郎)とペアを組むことが多く、操縦技術に長け、航空に関する勉強家でもある優秀な若手。パイロットの制服もよく似合っている。

ところが、性格に難があり、対人トラブルを起こしがち。この“難あり”の役を千葉が演じることで、成瀬竜を皆に愛されるキャラクターとして昇華させたのである。

主人公の春田が成瀬への愛を募らせていく

成瀬の“難あり”な部分。それは例えば、誰にでもキスできちゃうところ。そのせいでかつてモメていた女性が、職場に怒鳴り込んできたこともある。止めに入った春田が成瀬に突然キスをされ、怒った女性からコーヒーぶっかけられた(第1話)。

また、他人に心を開くことが苦手で、素直になれないのも成瀬の特徴である。

人付き合いが悪く、ドライな性格であるのは、父親との確執のせいもあったが、成瀬の父が亡くなった報せを聞いた春田が、複雑な心境にある成瀬を強く抱きしめ「ほっとけねえんだよ」と告げている(第3話)。成瀬のことが気になって仕方なくなった結果、春田が「オレじゃダメか」とキスをしたこともあった(第5話)。

と、ここまで書くと、春田が成瀬の冷たくとがった氷のような心を溶かして、人間らしさを取り戻したかのように思えるが、実際に成瀬が好きなのは整備士の四宮(戸次重幸)であり。なんとも複雑な片思いが入り乱れているのである。

キャラクターの内面がにじみ出る演技が好評

完全に成瀬を好きになってしまった春田を振り回しているだけのような成瀬に「可愛い」の声が相次ぐのは、やはり、千葉の細やかな演技によるところが大きいだろう。

感情を出すことが苦手な成瀬は、走り方が独特。四宮に会いに行くときはモジモジ、ヒョコヒョコと小走りをして、気まずい状態にあるときは目の前から去るのに必死で全速力ダッシュする。走り方で気持ちがバレてしまっているのに、気付いていない。そこが可愛い

偏食の成瀬は、四宮の作る食事以外で口にするものといえば冷凍グラタンだけなのだが、大きめのパーカーから少しだけ手先を出した“萌え袖”状態にして、スプーンをくわえている姿の可愛さといったら、10人中10人が認めてしまうだろう。

他にも、公園に逃げ出した成瀬が泣きじゃくり、下唇を出してスネているような表情は5歳の男児かと思えたし、冬のイルミネーションが輝く夜に、春田の上着のポケットに手を入れて温めてもらい、チワワか子猫のような顔をして上目遣いしているのを見たら、春田がほっとけないのもうなずける。「キスまでにやんなきゃいけないこと」が分からないという成瀬が恋の手ほどきを受けている姿は、しつこいようだがたまらなく可愛いのだ。

ネットがザワつく存在感を発揮!

役も本人も30歳だというのに、幼い男児や小動物のように見える千葉。

元来持つキュートな顔立ちを120%生かす演技は、2010年に俳優デビューした「天装戦隊ゴセイジャー」(テレビ朝日系)の主演以来、「桜蘭高校ホスト部」(2011年TBS系)、「家売る女」シリーズ(2016年~、日本テレビ系)、「わろてんか」(2017年NHK総合)、「プリティが多すぎる」(2018年日本テレビ系)等々、着実に数多くの経験を積んできた結果、身に付いたものだろう。

可愛いだけでなく、Sッ気のあるキャラ喜怒哀楽が激しめの役も難なくこなす。作品に登場すると必ずネットがザワつくような存在感を発揮しているのだ。

2020年2月21日(金)公開の映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」では、前作の出演に引き続き、刑事・加賀谷学役で主演を務める。“転機”となるかは他人が決めることではないが、“おっさんずラブ”以降も千葉の活躍はより一層、勢いを増すに違いない。

■ 年齢や性別を超えた千葉雄大こそ“おっさんずラブ”にマッチ

今回“おっさんずラブ”というモンスター級の人気を誇るシリーズ作品に出演するプレッシャーに打ち勝って一皮むけたことで、千葉は役者としての“度胸の強さ”も見せつけた。

男であるとか女であるとか、また老いたとか若すぎるといったことを気にするような世界ではなく、「人が人を好きになること」を描く“おっさんずラブ”には、千葉雄大の年齢不詳さや、性別を超えた可愛らしさが見事にマッチしたのである。

最後まで恋の行方が予想できない最終話は、12月21日(土)放送。

黒澤が突然のパイロット引退宣言をする。その決断に春田は、自分でも驚くほどに激しく動揺する。一方、社員寮を出て行った四宮の行方を心配する成瀬は、四宮が黒澤家に居候していることを知る。(文=ザテレビジョン ドラマ部)(ザテレビジョン

「おっさんずラブ-in the sky-」記者会見での千葉雄大