近年、話題のアウトドア・アクティビティ。あまたある中からどれを選ぶべきか、迷ってしまう方も少なくないはず。そこで、国内最大級のアウトドア・レジャー専門の予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」との共同企画として、現地の深掘り取材を繰り返すナビゲーターに“とっておきのアクティビティ”を教えてもらう企画をスタート。

【写真】不思議なコブだらけの森。膝を曲げたような形から膝根(しっこん)と呼ばれる根が至るところから顔を出すマングローブ林。透明度の高い地下水にポコポコ浮かぶ光景で別世界へ

今回は、近澤清志(ちかざわ・きよし)さんの“とっておき”を紹介します。

■ 平熱低めの僕が「なんじゃこりゃ!」連発。テンション上がる自然鑑賞ツアー

こんにちは!前職がテレビ局勤務の報道マンだったこともあり、目の前の出来事や自身の体験をつい冷静かつ客観的に見るクセが体に染み付いてしまった近澤です。楽しいアクティビティに出会っても冷静に楽しみがちな僕ですが、今回紹介するツアーは違いました。この僕ですらテンションがだだ上がり!取材から帰ってきて、すぐに先輩ナビゲーターの鈴木紀行さんに熱弁をふるうぐらい楽しかった!それが沖縄の屋我地(やがじ)島で屋我地エコツーネットさんが主催するマングローブ散策ツアーです!

内容は「マングローブ林を散策する」というものです。あ、いま「マングローブ見てどうすんの?興味ないわー」って思ったでしょう?これがものすごく予想を裏切る内容なんです。とにかく見るものすべて発見!発見!大発見!そして驚き!の連続で、もうずっと「なんじゃこりゃ!」が止まらない。いつものキャラクターを完全に逸脱した僕がいました(笑)。たぶん、沖縄で好きな場所は?って聞かれたら、迷わず「やがじ!」って言います。

■ 予想を裏切る「やがじ」の楽しさ。有名な古宇利島ドライブで素通りしていた人に今すぐ教えたい!

ところで皆さん、屋我地島はご存知でしたか?沖縄本島北部で人気の名護エリアにある島で、本島から橋でつながっているので、車で簡単にアクセスできます。沖縄本島と古宇利(こうり)島の間。“恋の島”として人気の古宇利島に車で行くときには必ず通るので、知らず知らず通っていた人も多いはず。僕自身もそうでした。この周辺は、SOTOASOBIナビゲーターの中では僕が最も多く取材しているはずなのに、「屋我地島に取材に行ってきて」と言われたときは、まったくピンときませんでした。調べてみて初めて「あ!あそこかぁ」と思い出したぐらいです。

僕が取材に行くツアーも大変失礼ながら地味目な印象の「マングローブ散策」でした。ところが屋我地島は「なんじゃこりゃ!」があふれる、とんでもない沖縄の穴場でした!そして屋我地島の魅力が存分に味わえるのツアーこそが、マングローブ散策なんです!!今ではプライベートで行きたい大のお気に入りの島になりました。

■ 独特な雰囲気が漂うマングローブ林非日常感たっぷり!

ツアーは、ガイドさんと一緒にマングローブ林を歩きながら散策していくもの。通常、マングローブというと川が海に流れ込んでいるエリアに群生しているのですが、このツアーで行く林は川ではなく湧き出た地下水が海水に流れ込む場所。今までにない独特な光景は、自然好きな僕の心に刺さりましたね。なんでもツアー開催地となる羽地内海(はねじないかい)のマングローブ林は、沖縄本島北部最大級の規模を誇るそう。そんなエリアが屋我地島にあったなんて驚きです!

■ 無数のトントンミーがピョンピョン!ミナミコメツキガニとの出会いにもテンション上がりっぱなし!

そこらじゅうでピョンピョンと魚のようなものが飛び跳ねます。その正体は、沖縄でトントンミーと呼ばれるミナミトビハゼ! かなりの数が生息しているようで、歩くたびに次々と飛び上がって移動する姿がすごくかわいいんですよ。まぁでも最初はその数の多さに「なんじゃこりゃ!」とビビりましたけど(笑)。

■ 「なんじゃこりゃ!」が、たたみかけてくる!不思議の嵐!

ツアーのハイライトは、マングローブ林を抜けた先に。たくさんの生き物が住んでいるという広大な干潟です!マングローブ林から視界が一気に開けたと思ったら、目の前の光景に何か違和感が……。ふと潮が引いたあとの浜に目をやると、何か豆粒みたいな生き物がチョコチョコと至るところで動き回っているじゃないですか!!これはもう誰もが「なんじゃこりゃ?!」と叫びたくなるほどのインパクト。その光景は未だに忘れることはできません。

豆粒の正体は、体長は1㎝ほどのミナミコメツキガニ。丸く青い甲羅とその名のとおり、まるで米をつくかのように地面をつつく動きが特徴的なカニで、一匹だと地味なヤツなんですけど、数えきれないほどいるとこれが迫力満点!平熱低めな僕としたことが、自分でもびっくりするぐらいテンションが上がってはしゃいじゃいました(笑)。

きっと子供なら僕以上に大喜びすること間違いなしなので、ぜひ家族で体験してほしいです。他にもたくさんの種類のカニや貝、ユムシなど、普段見慣れない生き物たちをたくさん見ることができますよ。ちなみに時間の都合上、今回は参加できなかったのですが、「屋我地エコツーネット」では夜にいく散策ツアーもあります。日中は姿を現さない大きなオカガニと出会えるそうなので行きたかったのですが、プライベートで行くときの楽しみにとっておきます!

■ 優しく盛り上げ上手な「屋我地エコツーネット」のガイドさん

かわいらしいミナミコメツキガニの姿や干潟にいるたくさんの生き物たちとふれあいながら、時間いっぱい遊んだところでツアーは終了。その後、ガイドさんと一緒にベースに戻り、シャワーで手足の汚れを落としていると、ガイドさんがランチにおすすめのお店を紹介してくれて、お店に予約まで取ってくれました。

「屋我地エコツーネット」のガイドさんはすごく親切で生き物好きです。ツアー中も何か生き物を見つけては「あっ!いたいた!」とおおはしゃぎ。最初はその様子にビックリしましたが、屋我地に生息する生き物や自然を愛してやまないその姿を見ているたけで、僕まで楽しくなりました。自ら楽しみ、そしてお客さんのこともとても楽しい気持ちにしてくれる栂村さんと笹島さんも、このツアーを他にない魅力的なものにしてくれているのです。

■ 知る人ぞ知る古民家カフェで味わうご飯のおいしさに再び「なんじゃこりゃ!」

取材後に食事へ出かけたのですが、そこが島外からもわざわざ足を運ぶ人もいる人気店と知ってこれまたビックリ!移築80年以上の古民家を改装した「古民家Cafe 喜色(きいろ)」という小さなお店で、予約しないと入れないときもあるとか。教えてくれたガイドさんに感謝です。

屋我地島の旬な食材を使ったメニューが並ぶ中、僕が選んだのは「喜色御膳」。幕の内弁当のようにいろいろなおかずが入っていたのですが、どれも本当においしくて大満足。特に人気メニューの自家製ゆし豆腐は格別で、口の中でとろける独特な食感は女性にも人気のメニューだろうなという予感。遠方からわざわざ食べに来る人がいるのも納得です。

■ さまざまな楽しみに満ちた屋我地島!間違いなく沖縄の穴場です!

帰るまで時間があったので、ひとり屋我地島を散策していたのですが、想像以上に観光スポットが多くて驚きましたね。海は周辺諸島に負けないぐらいきれいで、島の南東側にはビーチもあるし、塩作りや海ぶどうの摘み取りなど、体験スポットも点在しています。宿泊施設もペンションからグランピングスポットまで充実。「あれ?ここって遊びに来るのにすごくいいところじゃん!」とあらためて気づくことに。

家族で来るも良し、友人と来るも良し、女の子を誘ってくるも良し! 沖縄の離島でありながらも、車でアクセスできる利便の良さも最高です。しかも、これほど好条件が揃っている島なのに、散策中に観光客らしき人の姿をほとんど見かけませんでした。もしかして僕は、とんでもない穴場を見つけてしまったのではないでしょうか!「マングローブ散策」ツアーはオールシーズン実施されているので、ぜひ皆さんも屋我地島に足を運び、たくさんの「なんじゃこりゃ!」を体験してください。(東京ウォーカー(全国版)・浅野祐介/ウォーカープラス編集長)

SOTOASOBIナビゲーターの近澤清志さん。オーストラリアで出会った”アウトドアアクティビティが当たりまえにある暮らし”に魅了され、テレビ報道マンからナビゲーターへと転身