■ キャラは濃いが人柄とコーヒーは優しい「あびる珈琲」

【写真を見る】あびる珈琲 / 「スペシャルブレンドNO.2」(写真左、450円・税込)と「チョコスコーン」(写真右、150円・税込)

特徴のある帽子にメガネ、口の周りをおおう丸ヒゲ。一度見たら忘れられない風貌で、“キャラクターの濃さ”でいえば福岡のコーヒー界でも屈指の、阿比留 英(あびる たけし)さんが店を開いたのは13年。

糸島の「ナッティドレッド」で働いた後、自家焙煎喫茶「珈蔵」(現・珈童)に入店。2年間焙煎などの修業を行い、自宅で焼いた豆を自転車で宅配するスタイルで経験と開業資金を貯めていった。コーヒーをやろうと思ったきっかけは「奥さんがコーヒー屋をやるのが夢だって言ったんですよね。それじゃあやろうと」となんとも愛のある答えが。店内に地域探検で訪れた小学生の感謝の手紙を飾るなど、優しさにあふれている。

コーヒーはブレンドを3種類、シングルを7種類ラインナップ。「興味ある豆を飲んでほしいから、銘柄に関わらず全部450円で統一しています。うちはこれを飲んで欲しい!という主張はなくて、お客さんとの対話によって好みに寄せていく感じですね」。好みがわからない人におすすめなのが「スペシャルブレンドNO.2」。「ブラジルやグアテマラをベースとした誰でも飲みやすくて、オールウェイズな味わいです。いい意味で80点の豆ですね」。店構えも店主も、最初はちょっとクセが強いが、一度入ってみるとやみつきになる魅力を秘めている。

[あびる珈琲]福岡県福岡市早良区弥生2-1-1 / 092-407-9731 / 10:00〜18:00 / 日曜・月曜休み 

■ 焙煎技術を高めるために日々努力を続ける「NEUTRAL COFFEE」

藤崎の住宅地に開店し、19年10月で丸4年。市内のロースターで焙煎の基礎を学んだものの、「開業から1年ほどはなかなか納得のいく豆を焼けなかった」と話すオーナーの西岡 徹さん。毎日堅実に豆を焼き、しっかり焙煎プロファイルを取り続けることで、焙煎機のクセや特徴に理解が深まってきた。その成果は味わいに現れており、「年数を追うごとにおいしくなっています。特に季節ごとに変わるブレンドが毎回楽しみ」と常連さんも納得。

西岡さんは「直火式で基礎を学んだということもあり、半熱風式の魅力を生かせていませんでした。今は浅煎り、深煎り共に、ロースト由来の“焼き味”の強弱を自在にコントロールできるようになったと思っています」。毎月、必ず1種類は月替りのブレンドを作る、自身で毎回課題の豆を設けるなど、焙煎技術を高めるための努力は惜しまない。

さらに、18年秋には全国を舞台に焙煎技術を競う「ローストマスターズチームチャレンジ」に九州チームの一員として参加。「競技会に出たことでさらに引き出しが増えたと思います」と西岡さんは話す。ブレンドが3〜5種類、シングルオリジンが7、8種類と選択肢も多い同店。ブレンドが500円(税込)からと価格も手ごろなので、家庭で日常的に飲む一杯におすすめだ。

[NEUTRAL COFFEE(ニュートラル コーヒー)]福岡県福岡市早良区藤崎2-1-1 寿ビル1F / 092-845-1180 / 10:00〜20:00、金曜・土曜・祝前日〜22:00 / 火曜休み (九州ウォーカー・九州ウォーカー編集部)

NEUTRAL COFFEE / 「ホットコーヒー」(写真右、430円〜・税込)、「濃厚生チョコケーキ」(写真左、450円・税込)