劇場アニメーション作品『HUMAN LOST 人間失格』が11月29日より絶賛公開中だ。

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昭和111年という昭和が終わらなかった日本の近未来が舞台。その表題の通り、太宰治の小説『人間失格』を大胆に翻案。超高度医療社会というSFモチーフを取り入れたディストピア作品として生まれ変わった。




死を克服した社会と、そこで生きる人間の歪みと葛藤を、太宰の思想を受け継ぎながら『シドニアの騎士』や『GODZILLA』などで知られるポリゴン・ピクチュアズが長編3Dアクションとして描く。

KAI-YOUでは、制作スタッフへの連続ミニ・インタビューを掲載。

今回はアニメーションディレクターの大竹広志さん、グラフィックデザイン担当の桑原竜也さん、エフェクトスーパーバイザー・岡本崇さんからコメントが到着した。

HUMAN LOST 人間失格』の制作陣は、作品に何を込めたのか。今回は主に世界観を魅せるビジュアル面からその秘密と魅力を探っていく。

アニメーションディレクター・大竹広志の場合



──本作ではどのような役割をされていましたか?

大竹広志 アニメーションディレクターを担当しました。レイアウト(画面設計)とアニメーションのクオリティコントロールが主な仕事ですね。

──印象に残った思い出や苦労した事、エピソードがあればお願いします。

大竹広志 人多すぎ! クリーチャー多すぎ! バイクも触手も多すぎ(笑)!!

とにかく動かす物量が多かったです。全部を動かしたアニメーターたちを褒めてあげてください‍♂️

──お気に入りのシーンや特に力を入れたシーンやプロダクトはございますか?

大竹広志 序盤のバイクシーンです。キャラとしてカッコいい竹一×デザイン性抜群のバイク×濁流のような高速道路×やんちゃな暴走集団。とても美味しい設定でした。

これをいかに料理するか、各アニメーターの才能を引き出しながら良い映像に導くのが腕の見せ所。楽しかったです!!

グラフィックデザイン・桑原竜也の場合



──本作ではどのような役割をされていましたか?

桑原竜也 グラフィックデザイン・モーションを担当しました。

──印象に残った思い出や苦労した事、エピソードがあればお願いします。

桑原竜也 制作現場のアイデアを多く反映してもらえる作品だったので、積極的にやりたいことを提案できる環境が楽しくやりがいがあった半面、下手なアイデアは出せないというプレッシャーもありました。

アーティストたちが実力を存分に発揮し、それが画としてダイレクトに出る作品でした。

自分が昔から大ファンだったm-floが主題歌になることを知って大喜びしました! さらにMV制作にも関わることができ、最後まで充実して制作を締めくくることができました。

人が人でなくなるロスト現象。社内の一部では「ロストしました」というワードが流行りました。

──お気に入りのシーンや特に力を入れたシーンやプロダクトはございますか?

桑原竜也 本編ではあまり出てきませんが、イチロク集団で使用されるバイクなどのUIやホログラムはお気に入りのデザインです。未来のヤンキー的なイメージで、グラフィティを意識した派手でやんちゃなデザインにしています。

ヒラメ隊のドローンが照射する通行止めホログラムは、近未来感と日本らしさを混ぜた独特なデザインになっていてこちらもお気に入りです。

エフェクトスーパーバイザー・岡本崇の場合



──本作ではどのような役割をされていましたか?

岡本崇 エフェクトスーパーバイザーをしていました。爆発や変身するときの特殊効果をつくるチームのリーダです。

──印象に残った思い出や苦労した事、エピソードがあればお願いします。

岡本崇 作業量がとにかく多かったので効率良く進める工夫からはじめましたね。それでも余裕のないスケジュールでいつもギリギリで作業していた思い出があります。チームが頑張ってくれて完成させることができました。

──お気に入りのシーンや特に力を入れたシーンやプロダクトはございますか?

岡本崇 レインボーブリッジカーチェイスからのバトルシーンは、エフェクト的にも見応えあると思います。

HUMAN LOST 人間失格』のおもしろさに迫る

『HUMAN LOST 人間失格』©︎2019 HUMAN LOST Project