「シゴトを知ろう」公務員(一般行政職)編では、山梨県富士河口湖町の職員・渡辺和樹さんにお話を伺いました。高校生のときになりたいものがなかった渡辺さんは、大学で視野を広げて、ふるさとの町役場で働くことを選びました。この番外編では、よりよい町を目指して奮闘する渡辺さんの思いや、実際の公務員の仕事について、さらに深掘りします。

中途採用を含め、さまざまな人材が集まる

―― 業界内にはどんな性格の方が多いですか?

難しい質問ですが、公務員には本当にいろいろな考え方の人がいるんです。ルールや慣例をきっちり守って、淡々と業務をこなす人もいますが、反対に自分のオリジナリティを業務に加えて、もがきながらチャレンジしていく人もいます。そうした人たちがお互いをサポートしあって仕事を進めています。


―― 業界内ではどんなキャリアパスがありますか?

高校や大学の新卒者が試験を受けて入庁・入職する場合もありますが、既卒者や民間で働いていた人が転職してくるケースも多いです。試験の内容は、自治体や職種によってさまざまですが、一般行政職は一次で筆記試験、二次で面接試験を行う場合がほとんどです。当町では、二次で小論文試験もありました。

異動には、見聞を広められるメリットもある

―― 業務をされてから、一番驚かれたことは何ですか?

新卒で入職した当時は、民間に比べて給与が低いと感じたことですね(笑)。東京の大企業に就職した高校の同級生との差が、かなりあったのは覚えています。もちろん、毎年昇給はありますし、昇級をすれば給与も上がっていきます。

―― 業界内の横のつながりはありますか? 

部署によってはつながりがありますね。観光課にいたときは、近隣の市町村職員とやりとりをすることも多かったです。また、2016年には広域の観光振興のために「富士山西麓地域観光連絡会議」という組織がつくられました。県境を越え、静岡県自治体職員と一緒に仕事をしたこともあります。


―― 一般の方に言うと驚かれる業界の常識はありますか?

「大変なこと・つらいこと」でも触れましたが、平均して3年に1回は異動があることです。慣れたころに異動がやってくるので、仕事を極めるという意味では物足りないと感じる人もいるかもしれません。

逆に言えば、何度も転職しているのと同じくらい多様な仕事を経験して、見聞を広められるのが行政一般職のメリット。どちらかというと飽きっぽい私には、それが合っていると思います。

時代に適応し、まちをアップデートしていく

―― 職員としての、これからの目標を教えてください。

当町に限ったことではありませんが、少子高齢化や人口減少など、いままでの常識が通用しない課題がたくさんあります。公務員に求められるものも高度化し、前例を踏襲するだけでは解決できないことが増えています。

いちばん大事なのは、いま自分に与えられた仕事をきっちりこなすこと。その上で、業務外で地域活動に参加したり、多様な視点で町を見直すようにしています。時代の変化に適応し、この町をどうアップデートさせていけばいいか。それを考えながら、自分自身ももっと成長していきたいと思います。
 
 
安定しているイメージ公務員ですが、多様なパーソナリティを持った人が集まる職場で、異動によってさまざまな仕事をこなしていることが分かりました。今回取材して印象的だったのが、時代に適応したまちづくりに貢献したいと語る渡辺さんの姿。そんな熱い気持ちで取り組める天職に、いつか出合いたいですね。
 
 
profile】富士河口湖町 地域防災課 渡辺和樹