ファッション通販サイトにゾンビのポーズをしたおしゃれな女性の写真が何十枚も載る日が来た。最近はK-POPでもゾンビがテーマの曲が2つもリリースされているし、全米でもゾンビ映画がティーンの間で大人気だし、ついにゾンビがファッションになった!

ゾンビポーズの女性の写真がたくさん載っているのは「ZOMBIES TOWM」。「MEG ZOMBIE」名義のシングル「KISS OR BITE」のリリースを記念して、ミュージシャン、ファッションモデル、デザイナーのMEGがとファッション通販サイト「ZOZOTOWN」がコラボしたサイトだ。

まず最初に目に入るのは、街でうろうろするかわいいゾンビ。どちらも8bitのRPG調のドット絵だ。ゾンビをクリックするとモデルになった女性の写真がポップアップするけど、ここはまとめて見てみよう。少し下にある「すべて見る」をクリックする。すると、ゾンビのポーズを取った女の子が、なんと50人も一気に表示される。みんな代官山や渋谷や原宿などのショップ店員。壮観だ。

ただ違和感もある。ゾンビコーディネートを紹介とのことだけど、着ている服や小物はキレイでおしゃれ。血糊は少なめだし、キズのメイクもほとんどない。ポーズも人によってまちまちで、血糊ばっちりでノリノリの人もいるけれど、恥ずかしそうに手を挙げているだけの人もいる。ゾンビおしゃれに消費されちゃうのかと不安になる。

でも、もう少し考えてみる。確かにこのサイトのゾンビは、ゾンビ映画や「ウォーキング・デッド」に出てくるものとは違う。だけど、カラオケにいって歌手に似ていないからダメっていう人がいないように、完全に似てなくたっていいんじゃないか。逆に考えれば、ゾンビがカラオケみたいに自分でやって楽しむものになりつつあるってことで、喜ぶべきことなんじゃないか。

そう考えれば、自分のイメージと違っても、みんな楽しそうだからこれでいいんだ、という気分になる。「ゾンビガールコーディネート」をテーマに「ゾンビスナップコンテスト」という一般公募もあるけれど、その投稿もやっぱりみんな楽しそうだ。そうやって浸透していって、もっとマンガでも映画でもゲームでもファッションでも音楽でも、ゾンビものが増えるといいな、と思う。

MEG ZOMBIES」の特設サイトはこれだけではなくて「MEG THE WORLD」というRPGが遊べるものもある。こちらも「ゾンビにかまれても私は私だよ」など、ゾンビものとして新鮮なセリフがあったし、公開されているPVも横たわった人の形に置かれた野菜や果物を食べているだけで何故かゾンビに見えてくる、血やモツがなくてもいいんだと気づかされるツボを押さえた作品で、むしろゾンビ好きにオススメです。(tk_zombie)

リリースが記念されているシングルです。MEG ZOMBIES「KISS OR BITE」[CD] 2013/06/05発売 1000円 スターチャイルド KICM-1451