20代の頃の東郷元帥が留学中に滞在した英国の家の庭で、大木に育っているそうです。

日露戦争にて、ロシアのバルチック艦隊を撃破した旧日本海軍東郷平八郎元帥が若かりしころ留学していたイギリスから、元帥ゆかりのイチョウが2019年12月24日広島市植物公園へ到着しました。

イチョウは1870年代、旧日本海軍の軍艦「比叡」(初代)が西ウェールズのペンブロークドックにあった造船所で建造され進水した際、感謝のしるしとして、日本政府から現地へ寄贈されたものです。当時、留学中だった後の元帥、東郷平八郎が滞在していた家の庭に植えられ、以来「東郷元帥ゆかりのイチョウ」として語り継がれてきたそうです。

その地元ウェールズの人たちが、大木に成長したイチョウから苗木を作り里帰りさせようと「東郷元帥ゆかりの銀杏の里帰り」プロジェクトを立ち上げ、2017年より挿し木によって約30株の苗木を育ててきました。これを日本郵船のグループ会社である郵船ロジスティクスがイギリスより無償で空輸、24日に広島へ到着したというものです。

苗木は広島市植物公園で日本の土壌に慣れさせたのち、2020年春ごろから旧軍港が所在した広島県呉市、京都府舞鶴市長崎県佐世保市神奈川県横須賀市のほか、東郷神社(東京都渋谷区)、東郷元帥の出身地である鹿児島市と、邸宅跡がある千代田区で植樹される予定です。

※ 一部修正しました(12月25日15時

12月24日に広島市植物公園で開かれた東郷元帥ゆかりのイチョウ受入式の様子(画像:日本郵船)。