国民的人気シリーズ『男はつらいよ』の22年ぶりの最新作にして50作目となる『男はつらいよ お帰り 寅さん』の公開を翌日に控えた26日、前夜祭として特別上映が行われ、山田洋次監督、倍賞千恵子吉岡秀隆後藤久美子ら総勢13名の“寅さんファミリー”による舞台あいさつが行われた。

【写真】寅さんファミリー勢ぞろい! 『男はつらいよ お帰り 寅さん』公開記念舞台あいさつフォトギャラリー

 舞台あいさつには前田吟、美保純、佐藤蛾次郎、北山雅康、笹野高史、夏木マリ、浅丘ルリ子というファンにはおなじみの面々、さらに本作から加わった池脇千鶴、桜田ひよりも登壇した。

 山田監督は本作について「第1作からずっと一緒になって作ってきた大勢のスタッフ、俳優さん――いまはいなくなっちゃった人もたくさんいますけど、その全員で作りあげた作品」と思いを語る。

 寅さんの妹・さくら役の倍賞は「 (寅さんが)どこかで見ていて『おうっ! 山田さん、よく頑張ったな』『おい、さくら、よく頑張ったじゃないか』と言ってくれるんじゃないかという気がしながら撮影していました。きっとお兄ちゃんも喜んでいると思います」と声を詰まらせる。そんな倍賞に“息子”の吉岡が優しく「お母さん、大丈夫ですよ。見守ってくれています」とうなずき、会場は温かい拍手に包まれた。

 吉岡も甥っ子“満男”として寅さんへのメッセージを求められると「『バカだねぇ、満男。そんなこと公衆の面前で口にするもんじゃないよ、男は』と言われそう(笑)」と照れつつ「僕はあれからずいぶん、風に向かっておじさんの名前を呼んだんですけど、『いっこうに現われてくれないじゃないか、おじさん』と。ただ、そうしたら『満男、ずっとそばにいたんだよ。だからこそ50作目ができたんだろ?』と言ってくれるような気がします」としみじみ。

 そんな満男の初恋相手・イズミ役の後藤は寅さんに対し「“ありがとう”のひと言です。イズミがこのような人生を歩んでいられるのは“おじちゃま”の温かさ、優しさに出会うことができたから。おじちゃま、ありがとう!」と呼びかけ、会場は再び割れんばかりの拍手に包まれていた。
 
 映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、12月27日公開。

映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』公開記念舞台挨拶にて  クランクイン!