第98回全国高校サッカー選手権大会が30日に開幕。開幕戦となった東京B代表の国学院久我山高校が、FW山下貴之(3年)やFW山本航生(3年)がハットトリックを達成する活躍で、沖縄県代表の前原高校に8‐0の快勝を収めた。

準優勝に終わった第94回大会以来、4年ぶりの出場となった國學院久我山。この試合で一際、脚光を浴びたのは背番号の「7」の山下だった。6分に先制点を奪うと、11分と52分にもゴールネットを揺らしてハットトリックを達成。歴史的大勝の立役者の1人となった。

「自分は東京都予選の頃から1ゴールしかできていなくて、得点という形でチームに貢献できてなかったので、素直に点を取れたことはうれしいです。けど後ろの人や中盤の人が一生懸命、繋いできてくれたボールをゴールに入れるだけだったので、みんなのおかげでハットトリックすることができました」と、チームメイトのサポートに感謝した。

さらに、山下同様にこの試合でハットトリックを達成した山本航生を含め、3トップで7ゴールと驚異的な破壊力を披露。「FWの選手が点を取ることはチームにとってもすごい大事なことなので、みんなでたくさん点を取れたことがうれしいです」と、試合を振り返っている。

開幕戦でのハットトリックは、2005年以来となる14年にぶり。都予選では1っ点に終わった山下は、選手権の1カ月前に自分自身を見つめ直した。「自分のすべきこや自分のストロングポイントとかを見直して、全国で絶対に点を取ってやるという気持ちはありました」と、再確認したことがこの偉業に繋がった。

この対象で久我山が勢いづくことは間違いない。それでも、山下は「初戦は難しいですけど、大勝したことによって気が緩みがちになります。そこは勘違いしないで、まだ1試合勝っただけであって、日本一になるにはあと5試合勝たないといけないです。1つ1つ良い準備をしていきたいと思います」と、4年前届かなかった優勝に向けて、兜の緒を締めた。

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