気がつけば2019年も残りわずか。来年はついに東京オリンピックが開催される”五輪イヤー”だが、日本映画界も気になる新作が続々と待機中。話題のシリーズ映画、ファンは期待と不安が入り混じる原作の映画化、そしてアイデア勝負のオリジナル作品。2020年の日本映画も気になるラインナップになりそうだ。

内容保証! 注目のシリーズものが公開ラッシュ!
2020年も季節の訪れを感じさせてくれる定番のアニメシリーズ(ドラえもんクレヨンしんちゃん名探偵コナンプリキュア)はもちろん待機中。その中でも『ドラえもん』は2020年が記念すべき誕生50周年。年明けから春にかけて様々なキャンペーンが行われるはずだ。

また、人気作の続編も2020年は続々と公開される。まず、年明け早々の1月10日(金)には『カイジ ファイナルゲーム』が公開する。藤原竜也主演の人気シリーズが9年ぶりに復活して、タイトルの通り完結する。毎回、極限状態に追い込まれた主人公が無茶な勝負に挑む様が描かれてきたが、今回はシリーズ最大の大勝負が描かれる。ライバル役を演じるのは名優・吉田鋼太郎。プライベートでも親交のある藤原と吉田の演技バトルを目撃するだけでも鑑賞料金以上の価値があるはずだ。なお、ほかにも福士蒼汰、関水 渚、新田真剣佑ら豪華キャストが出演。最後の最後にカイジがどんな”奇策”を繰り出すのか楽しみだ。

そしてこちらも人気シリーズ『コンフィデンスマンJP』の新作映画が5月1日(金)に公開。相手をダマす”信用詐欺”を描いた人気ドラマを映画化した前作は香港を舞台に描かれ大ヒット。続く映画第2弾も長澤まさみ東出昌大小日向文世らが集結。マレーシアランカウイ島で撮影が行われた今作も観客の予想外の展開が描かれ、ファンはまたもやダマされることになりそうだ。

さらに『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2月21日(金)公開)も待機中。北川景子主演で2018年に公開され、大ヒットを記録した衝撃作の続編で、最新作では前作で事件を解決に導いた刑事・加賀谷が再び登場。千葉雄大が最新作では主演を務める。さらに乃木坂46白石麻衣、出演作の続く成田 凌らが出演。スマートフォンをモチーフにセキュリティの問題やSNS、個人情報の闇を描く”決して他人事とはいえない恐怖”ミステリーになりそうだ。


2020年もやっぱり気になるコミック&小説の映画化
日本映画界といえば、何と言っても人気コミックや小説の映画化がやはり強い。すでに多くのファンを抱えていて知名度も抜群。その分、ファンはイメージが壊されてしまわないかと少し不安で、公開されると炎上!なんてリスクもある。

ヲタクに恋は難しい』はアニメ化もされた人気ウェブコミックを実写化したもの。隠れ腐女子のヒロインと重度のゲームヲタク不器用すぎる恋の模様を描くコメディで、実写版では高畑充希山崎賢人が主演に決定。脚本と監督を務めるのは「銀魂」シリーズなど、原作ファンを納得させる実写化で定評のある福田雄一で、主演のほかにクセの強いキャストも勢揃いする。熱狂的なファンの多い作品だけに評価が分かれるかもしれないが、賛否も含めて公開時には注目を集めることになるはずだ。
※「山崎賢人」の「崎」は、たつさきが正式表記

織守きょうやの人気小説シリーズを映画化する『記憶屋 あなたを忘れない』は、年明けすぐの1月17日(金)に公開。人の記憶を消すことができる”記憶屋”によって、ある時期の記憶がすっかり消えてしまった恋人のために奔走する主人公の物語で、山田涼介芳根京子佐々木蔵之介らが出演。原作小説は日本ホラー大賞受賞作だが、映画は観る者を必ず涙させる感動作になりそうだ。記憶を消す設定と感動ドラマがどう折り合うのか……観る者の期待と予想を華麗に裏切る映画になるかもしれない。

ちなみに原作になるのは小説やコミックばかりではない。日記が、それも“架空の日記”が原作になっているのが『架空OL日記』だ。お笑い芸人で脚本家のバカリズムがOLになりきって書いた架空の日記を書籍化し、さらにそれを自身の脚本・主演でドラマ化。ドラマの完成度がとても高く、脚本は第36回向田邦子賞を受賞。OLの日常が時に淡々と、そして時に”なぜ?”と観る者を惑わせる展開を織り交ぜて描かれる作品で、映画版もバカリズムが続投するほか、夏帆、臼田あさ美、佐藤 玲、山田真歩が引き続き出演。何げない会話も細部まで計算された脚本と、キャストの個性が絶妙にマッチした本作は一度観るとハマること間違いナシだ。


オリジナル作品にも実力派俳優が集結する大作が並ぶ!
原作もの、シリーズものが多数派の中、まだ誰も知らないオリジナルの企画で新作映画を撮るのは、ややハードルが高い。しかし、未知の世界が広がっている、映画館で初めて衝撃を味わえるのもオリジナル作品の魅力ではないだろうか。

Love Letter』『リップヴァンウィンクルの花嫁』などの作品で日本だけでなく海外にも熱狂的なファンの多い岩井俊二監督が、これまでの作品の集大成として、『Love Letter』へのアンサーとして完成させたのが最新作『ラストレター』だ。タイトルの通り”手紙”をモチーフにしたオリジナルストーリーで、松 たか子、福山雅治広瀬すず神木隆之介、森 七菜、そして『Love Letter』にも出演した中山美穂と豊川悦司が出演。国内外の注目を集める1作だ。

残されたカセットテープを再生している間だけ、亡くなったミュージシャンと大学生が入れ替わる。そんな気になる設定を盛り込んだオリジナル作品『サヨナラまでの30分』が1月24日(金)公開になる。主演はどちらも出演作が続く注目株、新田真剣佑と北村匠海。ふたりの共演作というだけでも気になるが、本作は”音楽”青春ラブストーリー。映画のキモになる音楽はandropの内澤崇仁がプロデューサーを務め、odol、mol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)、雨のパレード、Ghost like girlfriendMichael Kanekoの6組が楽曲を提供。キャストも音楽もいま最も”上り調子”にあるメンバーを集めた作品だけに、何年か経って振り返ると「こんな豪華なメンバーが!」という可能性もある。

先にも書いたが、日本でオリジナル企画を実現させるのはなかなかに大変。予算のかかるアクション大作を実現させるのも大変。そんなふたつを一度に実現させるのは……。そんな山に挑んだ今年上半期最も気になる映画が大沢たかお主演の『AI崩壊』(1月31日(金)公開)だ。人工知能(AI)が社会の様々な場所に入り込み、人間の健康状態も管理するようになった近未来でAIが暴走。嫌疑をかけられて追われる身となった主人公の壮大なドラマを描く。賀来賢人広瀬アリス、岩田剛典、玉城ティナ三浦友和らキャストも豪華で、最新のAI事情や今後の展開を徹底的にリサーチして脚本が執筆されたという。SF的な設定、アクション、大規模な撮影、そして完全オリジナル企画……本作がヒットすれば、日本でも今後、大規模なオリジナル企画がさらに生まれるかもしれない。

ここで紹介した作品のほかにも、橋本環奈主演のR15映画『シグナル100』(1月24日(金)公開)や、広瀬すず主演のコメディ映画『一度死んでみた』(3月20日(金)公開)、中島みゆきの名曲「糸」から着想を得て、菅田将暉小松菜奈のW主演で映画化される『糸』(4月24日(金)公開)、ほか大作映画や賞レース入り確実の時代劇、まだ解禁になっていない注目作などが続々と待機中。好きなキャスト目当てで観るも良し、好きな原作の実写化に期待を膨らませるのも良し、まだ観ぬオリジナル作品を支持するも良し! ともあれ、2020年も日本映画界から目が離せなそうだ。

(c)2020『サヨナラまでの30分』製作委員会

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掲載:M-ON! Press