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marbus_79 from Pixabay

 ポーランドの南、ポビアト・ケンジェジンスコ=コジェルスキ郡にあるミエイスツェ・オドジャンスキエという小さな村は、ほかの農村と変わらぬなんの変哲もない村落だ。

 人々は農業に従事し、質素だが静かで平和な暮らしを日々営み、犯罪などほとんどない。しかし、この村がちょっと変わっているのは、この10年間で男の赤ちゃんがひとりも生まれていないということだ。

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10年間男の子が生まれていない事実が発覚

 このことがわかったのは、この村の女性ばかりの消防団が地域の競技会で優勝したときだった。目ざとい誰かが、「あれ?この村には男の子がいないね」と指摘したことが始まりだった。


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 村の人口は300人にも満たないが、この10年間で生まれた12人の赤ちゃんはすべて女の子だった。

 統計的には、男の子のほうが多く生まれることを考えると、これは珍しい現象だ。例えば2017年ポーランドで生まれた男の子は20万7000人だったのに対して、女の子は19万6000人と男子の方が多い。村長のライムンド・フリシュコは、この事実に対してこう言う。

出生証明書を詳しく見直し、古くからの住民の証言も確認しましたが、女の子ばかりが続けて生まれ、男の子はまれなのです。

どうしてなのか、この謎を説明するのは簡単ではありません。"男の子が生まれると戦争が起こり、女の子が生まれると平和になる"と言われることもありますので、ありがたいことかもしれません。

どうしてこの村では女の子ばかりが生まれるのか、その理由を検証したいと言う専門家もいます。ご丁寧に、男の子を妊娠するコツを教えてくれる医師もいますよ

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ミエイスツェ・オドジャンスキエ村

なぜ男の子が生まれてこない?


 この奇妙な現象は、たちまち注目を浴びるようになり、世界中のマスコミがこの話題を取り上げ、村に押し寄せるようになった。

 特別な食事法や夫婦のベッドの下に斧を置いておくといった、男の子を授かるための迷信まで飛び交った。

 専門家たちからは、環境が特殊だからとか、住民の特異体質だとか、さまざまな説が出てきたが、グラスゴー大学のクレイグ・アンダーソンは、これは単なる統計的な偶然だと言う。

もっともありがちな説は、単なる統計的な偶然だということです。コイントスと同じように、男女が生まれる確率は2分の1づつです。

最初の出産での性別がふたり目の性別には影響しないとみなすと(最初が女の子でも、ふたり目も女の子とは限らない)、ふたり連続で女の子が生まれる確率は、2分の1×2分の1で4分の1。この考え方でいくと、12人連続で女の子が生まれる確率は4096分の1ということになり、かなり確率は低い。

明日、雨が降る確率は4096分の1だと聞いて、わざわざ傘を持っていく人はいないでしょう。それくらい、これは確率的には低い数字に思えますが、この確率は"ミエイスツェ・オドジャンスキエで12人連続して女の子が生まれる確率は?"というかなり特殊な質問に関わっていることを考慮することが重要なのです。


ポーランドのこの村が、とくに特殊だということはありません。リトアニアハンガリーの村で同じことが起こっても、国際的なニュースになるかもしれません。

同じように、女の子ではなく男の子が12人続いたら、やはりニュース性はあるでしょう。最近、世界のどこかの村で生まれた12人の子がすべて男の子だけ、あるいは女の子だけという確率はどれくらいありますか?という質問に変えてみると、完全に違う話になってきます。

オンラインデータベースGeoNamesには、世界中の人500人以上のあらゆる町の詳細情報が含まれていますが、そのような町は世界中に20万くらいあります。

ミエイスツェ・オドジャンスキエのような小さな村では、女の子ばかりが続くという現象は奇異に見えるかもしれませんが、世界のほかの町でも似たようなことが起こっている可能性はあります。

なぜ、ミエイスツェ・オドジャンスキエだけが、こんなに注目を集めているのかというと、その理由のひとつには出生率が関係しています。

この村は人口が272人ととても少なく、出生率は年間1%にもなりません。つまり、10年の間に12人女の子が続いたということは、それだけでかなり注目に値することなのです

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男の子を生んだ母親に報酬を


 この考えでいくと、これはごく普通の偶然の結果ということになる。奇妙にみえても、技術的にはなんら特殊なことはない。

 一方で、なぜこうしたことが起こるのか、原因のヒントになるものがあるかどうかを見極めるために、何世紀にもわたって住民の遺伝系統をさかのぼって調べている研究グループもある。

 原因がなんであれ、この村では、たとえは農業など、従来は男性がやっていた仕事を女性で補っている。ここの消防団員は、女性24人、男性はわずか8人だ。村長は、男の子を産んだ人に報酬を出すと言っている。

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こうした状況は珍しいことなので、その原因を解明しようと努力する価値はあると思います。わたしとしては、男の子を授かった両親になにか報いようと思います。

具体的な方法については、まだ明らかにできませんが、きっとすばらしい贈り物になるでしょう。マスコミではいろいろ言われていますが、この村で男の子が生まれたら、その名にちなんで通りに名前をつけることを考えています。

彼にとって間違いなく素敵な贈り物になるでしょう。そして、オークの木を植えて、それにも彼の名前をつける予定です。


 なぜ、小さな村でこうしたことが起こっているのか、相変わらず謎は残る。

 通常よりも双子が生まれる確率が高いインドのある村のように、不思議なことが起こる村はほかにもある。環境的な影響がなんらかの作用を及ぼしているのか、単に統計的な偶然なのか、まだわからないが、いずれにしても、ミエイスツェ・オドジャンスキエの村が、男の子を待ち望んでいることは確かだろう。

References:mysteriousuniverse/ written by konohazuku / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52286454.html
 

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