現役慶應生モデルのトラウデン直美(20歳)が、1月6日に放送されたニュース番組「AbemaPrime」(AbemaTV)に出演。“二次創作”について私見を述べた。

番組はこの日、「コミケ」の愛称で知られる、世界最大の同人誌展示即売会「コミックマーケット」について議論を展開。昨年12月に行われたコミケの来場者数は75万人に上り、経済効果は“100億超”と驚愕の数字を叩き出す巨大マーケットとして国内外に認知される一方で、著作権を巡る様々な問題点が取り沙汰される現状も紹介し、番組では、同人誌の“二次創作”というグレーな実態について話し合った。

幻冬舎編集者・箕輪厚介氏は、自身も著書がある立場から“二次創作”問題について、「自分の本が売れるということを含めて、SNS上で盛り上がって欲しいと思います。色んなパロディーをやっている人がいますが、それが広がれば広がるほどオリジナルも読まれる。僕個人としては、オリジナルを作ったクリエイターに対して、何かしら還元されるような仕組みがあった上で、“二次創作”というこんなにも需要がある市場は育てていくべきだと思います」と、互いに利益を享受する制度の整備を条件に、賛成する考えを示した。

これに対し、小説家の幾谷正氏は、「自分も創作をする前にオタクとして“二次創作”が好きな時代があって。その時に、原作のファンのつもりで“二次創作”の同人誌を買って気付いたら10万円ぐらい使っていたのに、原作のコミックやCDには1000円ちょっとしか使っていなくて。自分の中でファンの心理として買っていたはずなのに、原作者や公式に関わっている人に全く還元されていなかった。自分が小説を書くようになってからはなおさら、『これは本当に正しいことなのか?』疑問を持つようになった」と “二次創作”に異を唱えた。

さらに、実際に同人誌を描いている漫画家から話を聞くとともに、作者の意志を反映しながら作品の流通を図ることで、創作物を守る「クリエイティブ・コモンズ」という考え方を紹介。

これを受けて、慶応大学特別招聘教授の夏野剛氏は、「同人誌の世界を守りたい人は、これだけの規模があるなら、やっぱり内部ルールというか礼儀を持って欲しいと思うんです。同人誌で、誰かのインスピレーションから描いたという人は、誰々の敬意を表して二次創作を作っていると表示して欲しい。そして“二次創作”として作っているからには、“商業には載せない”というルールを自分達で作って表示したらいいんじゃないかな。これは、あまり根本的な解決にはならないものの、一次創作者と二次創作者の距離をだいぶ詰めることになると思う。もうちょっと一次創作者と二次創作者が、心の通えるようなコミュニティーを作れる仕組み・ルール・礼儀、そういうものを僕は日本で作っていって欲しいと思う」と、自らの想いともとれる意見を述べた。

また、ゲストとして出演したトラウデンは「コスプレも二次創作の一つですよね。コスプレ姿の写真撮ってもらってお金を稼ぐ人もいますけど、コスプレがあったおかげで海外に日本の文化が広がったり、効果もたくさんあったと思うので、良い方向に活かすようなガイドラインを再検討した方がよいのでは?」と、世界でも人気を誇る日本のコスプレ文化について言及し、今後の“二次創作”の在り方について触れた。