日産自動車は7日、開発中であるEV向け新技術の名称を「e-4ORCE」とすることを発表した。将来的な導入を通して電気自動車の性能アップを目指しており、2020年代の実用化が目標という。

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 e-4ORCEとは、「電動の」を意味する「Electoric」の頭文字”e”を最初に据え、車のパワーを意味する「Force」に四輪駆動の「4」を組み合わせた「4ORCE」という造語を合成した言葉である。

 e-4ORCEは電気自動車(EV)を対象として、出力用ブレーキの安定化などの性能向上を目的に、日産が開発を進めている。EVの全輪駆動をアシストするシステムとして、運転環境をレベルアップさせる狙いだ。e-4ORCE搭載車には、出力やブレーキの安定化など、コントロール性能の向上が望まれるという。

 普通クラスの乗用車でもスポーツカー並みの駆動力を発揮し、ハンドリングも容易になる。ドライバーにとっては、コントロールがしやすくなり、雨の日などの悪路でもスムーズに走らせられるという。

 e-4ORCEは全輪にトルクを伝える働きがあり、フロントとリア両方のモーターに備わった回生ブレーキとのセット活用で、車体の振動を最小限に抑えられる。これにより運転中の振動に対する悩みも解決でき、ハイレベルな乗り心地が期待できるという。

 2019年には日産がプレス向けのe-4ORCE搭載車の試乗会を開催していた。年が明け、1月7日から10日にかけて米ネバダ州ラスベガスで開催中の「CES 2020」には、e-4ORCE搭載の「アリア・コンセプト」を展示。ラスベガス市内ではe-4ORCE搭載のテストカーの公開も行った。

 日産は2020年代のe-4ORCE実用化計画を昨年の試乗会で公表しており、その場合は新型リーフに搭載する可能性が考えられる。今後のe-4ORCEの開発状況を見守っていきたいところだ。

日産、EV用新技術の名称を「e-4ORCE」と発表 現在も開発中