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 1998年6月26日オーストラリア中部で人間を描いた巨大な地上絵が、ヘリコプターのパイロットにより上空から発見された。そこには武器を持った人の姿が描かれていた。

 ボリビアサハラ・ライン(サジャマ・ライン)に次ぎ、発見された中で世界で2番目に大きいとされるその地上絵は「マリー・マン(スチュアートの巨人)」と名付けられた。

 誰が、いったい何のためにこの地上絵を描いたのか?その謎が長いこと科学者たちを悩ませてきたが、このたび、NASAの衛星からマリー・マンの全体写真を撮影したものが公開された。

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巨大な地上絵、マリー・マン

 マリーマンは今からおよそ20年ほど前の1998年に、南オーストラリアマリーの西方60kmにあるフィニス・スプリングス高原を飛んでいたパイロットによって発見された。

 この謎めいた地上絵の、高さは4.2 km、外周の長さは28 km 、線の深さは35 cmもある。あまりにも巨大なので、空からでないと全体像は見えない。

NASAが公開した巨大なマリー・マンの新しい写真(画像クリックで拡大表示)
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image credit:NASA

誰が?いったい何のために?

 マリー・マンの誕生については、さまざまな噂が飛び交っている。

 人の姿を描いたようなこの地上絵は、オーストラリア先住民アボリジニの狩人の姿ではないかと言われており、手に持った武器は、ウーメラ(鳥の小さな群れを散らすためにかつて使われていた投げ棒)やブーメランのいずれかではないかと推測されている。

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 誰が?何のために描いたのか?アリススプリングス在住のアーティストが描いた可能性があるとか、アメリカ人が制作したらしいという話もある。エイリアンへのメッセージ、またはエイリアン自身が描いたもの、と信じる人もいる。だが、その謎はまだ解明できていない。

 最近、この地上絵の謎について信頼できる情報を寄せた者に報奨金を出すといった話もあった。だが、なぜ描いたのかは依然として不明で、長いこと議論になっていると、NASAは公式見解で書いている。

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地球と宇宙の接点に現れる、隠れたプロセスとリズムに、衛星が新たな光を当てている
image credit:NASA

250本以上の竹の杭が9メートル間隔で打ち込まれていた


 マリー・マンは、時間の経過とともに薄れつつあり、いずれ完全に消えてしまうのではないかと言われている。

 このため、近くのマリーの町の住人が保存のために乗り出し始めた。建設機械を使って、これまでよりももっと深いところに、この絵を修復し直している。

こうすれば、風による浸食・沈下をなるべく食い止めることができ、水を取り込んで最終的にそこに植物が育てば、マリー・マンがグリーンになる。

 オリジナルを復活させる過程で、専門家たちは250本以上の竹の杭が9メートル間隔で打ち込まれているのを発見した。

 最初にマリー・マンを描いた者が、この杭を目印にして、最初の外周をマーキングしていったのではないかと専門家は考えている。

 しかし、どうしてマリー・マンが描かれたのか、その理由は相変わらずわからない。


Who made the Maree Man? - the largest ground drawing on Earth

マリー・マンの由来を証明できた者に報奨金

 マリー・マンが初めて発見されてから一年後、匿名のファックスが地元の機関に送られてきた。

 そのファックスには、マリー・マンの頭近くのエリアを示していて、そこからはアメリカの国旗やオリンピックの五輪、アボリジニの狩りについて書かれた本からの引用文が刻まれたプレートが発見された。

 地元の人たちは、2002年に死の床でマリー・マン作成の関与を認めて亡くなったと言われる、地元のアーティスト、バルディウス・ゴールドベルグが描いたと主張している。

 現在、マリー・マンの由来を証明する決定的な証拠を見つけた者には、5000豪ドル(日本円でおよそ37万円)の報奨金を出すとしている。

References:NASA photo reveals mysterious Marree Man once hailed as ‘message to aliens’ / written by konohazuku / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52286538.html
 

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