1月10日(金)、東京・日枝神社にて、映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』の製作発表会が行われ、ロベルト・シュヴェンケ監督、のほか、主演のヘンリー・ゴールディング、平岳大、安部春香、小路アンドリュー、イコ・ウワイス、スタントコーディネーター/アクション監督の谷垣健治氏らが登壇した。会場では、同作の日本での撮影決定も発表された。

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は、米ハズブロ社のアクションフィギュア“G.I.ジョー”をもとに映画化された『G.I.ジョー』シリーズの最新作。戦闘エキスパートチーム“G.I.ジョー”と、世界支配を目論む悪の組織コブラ”の戦いを描いてきた同シリーズだが、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』では、“G.I.ジョー”屈指の人気キャラで、忍者としてのルーツを持つ“スネークアイズ”を主人公とした物語が展開する。

プロデューサーには、『トランスフォーマー』シリーズなどのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ氏が名を連ね、『RED』や『ダイバージェント』シリーズのロベルト・シュヴェンケ監督がメガホンをとる。スネークアイズ役で主演するのは、『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディング。また、日本から『関ケ原』の平岳大が出演するほか、実写映画『るろうに剣心』シリーズのアクション監督や、ドニー・イェン主演の監督作『Enter The Fat Dragon 肥龍過江』が控える谷垣健治氏がスタントコーディネーター/アクション監督として参加する。

製作発表は、エグゼクティブプロデューサーのエリック・ハウサム氏がまず登場。「たくさんのマスコミ陣にお集まりいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです」と感謝の言葉を述べてスタート。続けて、「本作は、ハリウッドでも有名な『G.I.ジョー』の映画シリーズの最新作で、コミック市場でも有名かつ象徴的であり、また日本でもゆかりのあるキャラクターである”スネークアイズ”誕生の物語が描かれていきます。彼はこれまでの映画でも語られたことがなく、そして常にマスクを着けているので声さえも誰も聞いたことがない謎のキャラクターでした。本作では、タフで孤独なスネークアイズが、日本の嵐影という組織に入り、忍者の道を歩んでいくところから描かれていきます。アクションもたっぷりと詰め込まれたスリル満載の話ですので、是非とも期待してください」と概要を解説。

世界各国から集まったキャスト&スタッフ陣について問われると、「本作の為に、日本は勿論、イギリスインドネシアマレーシアドイツカナダなどから国際的で素晴らしいキャストがこの作品に集ってくれました。今回の来日は叶わなかったのですが、『トランスフォーマー』シリーズなども手がけるプロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラや、1作目にも登場したスカーレット役を今回演じるサマラ・ウィービングといった面々、日本からは他に石田えりさんも参加しています」と、さらなる詳細を発表。

日本での撮影を選んだ理由を問われると、「まずは、スネークアイズという日本にゆかりのあるキャラクターが主人公で、彼の物語を描くということで、日本を舞台に撮影をすることとなりました。個人的に、私は日本の映画監督である黒澤明さんの『七人の侍』がとても大好きで、黒澤さんが映画を撮影した地で、この映画を撮ることが出来ることをとても光栄に思っています。本作の物語は、日本で撮影をしないと完成しないものだと思っていますし、日本の文化や伝統にも直結していますので、お城や寺といったロケーションで、壮大なアクションも取り入れながら、数か月の撮影を予定しています。場所は姫路、大阪、茨城です」と明かした。

また、本作は、内閣府が初めて実施する、地域経済の振興等に関する外国映画ロケーション誘致に関する実証調査の対象作品として選ばれていることから、本作の取り組みについての発表も。会見には、平将明内閣府副大臣も登壇した。平副大臣は「この度、大変嬉しいことに海外作品のロケ誘致プロジェクトに『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』が採択されました。海外で人気があり、世界で公開される作品で日本を描いていただくことで、インバウンドの観光客が増えたり、また実際に撮影をすることで、エンターテインメントに関わる素晴らしい人材をより多く生み出すことが出来るのではと思っています。今回はロケ誘致の実証調査の事業ということで、支援をさせていただくこととなりました。製作の一部を支援すると同時に、これからロケがはじまるなかで、日本の素晴らしいと感じていただいた部分や、改善するべき部分なども共有いただき、今後ほかの国のロケ誘致にも負けないように、政府全体で取り組んでいきたいと思っています。まさに相応しい作品に選んでいただきました。大ヒットを祈っています。ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べた。

作品概要やロケ誘致について説明する第一部が終了すると、キャスト&スタッフ陣が登壇する第二部の会見がスタート。シュヴェンケ監督、主演のゴールディング、平岳大、安部春香、小路アンドリュー、イコ・ウワイス(『ザ・レイド』など)、そして、アクション監督の谷垣氏らが、大きな拍手とフラッシュの嵐に包まれながら登場した。

主演のゴールディングは、スネークアイズを演じることについて、「大変知名度も高く象徴的なキャラクターを演じることを光栄に思います。彼はとても謎に包まれたキャラクターですが、あのマスクの裏に一体なにを秘めているのか、彼がどのような過程を経てあのようなキャラクターになっていったのかが明かされていくというのは、私にとっても素晴らしい体験になると思います」とコメント。

イギリスを拠点として活躍しているアキコ役の安部は「海外で活動している日本人俳優としては、いつか日本でやりたいと夢を見ていたので、日本に帰ってくることが出来て、さらには一流の素晴らしいキャスト&スタッフの皆さんに囲まれて、とても感激しています」と喜びをあらわに。

ストームシャドー役の小路アンドリューは、「私は半分日本人なのですが、これまでの役者人生で日本人役を演じたことがなかったので、今回の撮影はとても興味深い経験になると思っています。自分の半分の血の伝統と文化を学ぶことができるので楽しみです。すべての役は必ず理由があって自分の元へ来ると思っているので、今回の役も頑張ります」と意気込みを明かした。

ケンタ役の平は、ハリウッドの大作に参加することについて「1か月半くらい皆さんで汗を流して稽古をして、そして撮影に入ると、セットや衣装のスケールが本当に大きくて……。すでに世界のエネルギーをひしひしと感じています。撮影もこれからですが、どんな映画に仕上がるのか本当に楽しみです」と語る。

ハードマスター役のイコ・ウワイスは、「祖父がインドネシアのプンチャック・シラットの達人で、私もマーシャルアーツを10歳からはじめました。今作では日本のスタイルと、私のスタイルを合わせ持ったアクションを谷垣さんチームとともに作り出すことがとても楽しみです」とコメントしている。

アクション監督の谷垣氏は「すごいアクションが見れると思います! 監督が日本映画にすごく詳しくて、『十三人の刺客』や、池広一夫監督の『無宿人御子神の丈吉 牙は引き裂いた』や、三隅研次監督の作品など、様々な日本映画の印象的なシーンを私に教えてくれて、そのアイデアを吸収しながら、ストーリーとキャラクターに基づいたアクションを作っていきました。個性的な武器がたくさん出てきますし、いろんなアクションの要素が全部詰まっているのが、このシリーズの魅力でもあると思うので、期待していただきたいです」と自信を覗かせる。

また、ゴールディングは「日本での撮影は初めてなのですが、2014年にTV番組の仕事で9つの都道府県を回り、そこで美しい日本の光景を目にしたので、今回もとてもワクワクしています。撮影地となる姫路、大阪、茨城で可能な限り美味しいものを食べ、日本の方々との時間も楽しみたいと思います」と、撮影についての期待を明かした。

最後に、シュヴェンケ監督は「世界中の観客に、今までに描かれてこなかったシネマの側面をみせたいと思っています。チャンバラやカーアクションのほかに任侠っぽさなど日本の文化から引用した要素を盛り込んでいます。きっとこれまで見たことのない特別な作品になると思います」とアピール。ゴールディングも「まったく新しい『G.I. ジョー』を見せることができるのではと思います。今まで開拓されなかった(『G.I.ジョー』シリーズの」領域に入っていき、監督のアイデアと日本への愛を込め、僕自身敬意を持って、日本の美しさを見せられたらと思います」と意気込んだ。

同日には、日枝神社にて、登壇したキャスト&スタッフ全員勢ぞろいで、日本での撮影の安全と作品の成功を願う祈祷も行われた。

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』は2020年公開。