例年よりも早く猛威をふるい始めたインフルエンザインフルエンザの時期になるとママたちの間で話題にあがるのが「インフルエンザの予防接種について」。

どのタイミングで受けるのか、どこの病院に行くのか…。「A医院はもう予約でいっぱいらしいよ」「B病院は少し他よりも値段が安いみたい」などなど。

そしてもうひとつ「予防接種を受けるか受けないか」。「毎年予防接種を受けてもかかるし…」「今までかかったことがないから」と、さまざまな理由で「予防接種を受けない」という選択肢を選ぶ人もいるようです。

予防接種の話はタブー?!

「予防接種の話題がきっかけで、すごく仲が良かったママ友とギクシャクしてしまいました…」そう語ってくれたのは、2歳の女の子のママ、Aさん。彼女には、同い年の女の子をもつママ友、Cさんがいました。近所の公園で出会ったふたりは年齢が近いこともあり、すぐに意気投合。今では毎日親子で一緒に遊ぶ仲になったのだそうです。

そんな仲良し親子たちに暗雲が立ち込めたのは、Aさんがかかりつけの小児科に、インフルエンザの予防接種を予約した、という話をしたとき。「彼女の顔色がさっと変わり『あなた、子どもの体に毒を入れるの?』と言われたんです」インフルエンザの予防接種=毒、という認識などまったくなかったというAさんはびっくり。返答に困っていると、Cさんはインフルエンザの予防接種がいかに体に悪いかを、熱く語り始めたのだそうです。

「だいたい予防接種が効果あるなら、こんなに毎年流行するわけないじゃない。だいたい、インフルエンザだって風邪の一種なんだから、かかっても自然に直せるのよ。それをわざわざこんな小さな子どもの体に毒を入れるなんて…。予防接種した方がインフルエンザにかかりやすくなる子もいるんだよ」でも、予防接種しないと重症化するって聞くし…と返しても「インフルエンザはただの風邪だ。予防接種なんて意味がない」と繰り返すCさん。「これじゃあ話にならない、と早々に帰宅しました」

帰宅してほどなく、CさんからLINE。そこには「今からでも予約をキャンセルした方がいい。予防接種は受けない方がいい」と書かれていたそうです。「予防接種を受ける、受けないは各家庭の自由ですから、Cさんが予防接種を受けないことを選択しても私は何も思いません。ただ、予防接種を受ける私を批判してくるのはちょっと違うんじゃないかな、って…」それ以来なんとなくCさんとは気まずくなってしまったAさん。

「あのとき、予防接種の話を出さなければ、今でも仲良くいられたのかな…って思う時はあります」

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受ける、受けないは自由だけれど…

確かに予防接種を受けているにもかかわらずインフルエンザにかかってしまった、予防接種の副反応が酷くしんどかった…というような話はよく聞きますし、それを聞くと予防接種は受けるべきなのか?我が子に受けさせるべきなのか?と悩んでしまう気持ちはよくわかります。

また、インフルエンザの予防接種は任意接種なので、受ける、受けないは個人の自由。それもよくわかります。しかし、Cさんのように、自分は予防接種を受けないから、といって予防接種そのものを否定する発言をしてしまうのはいただけません。

「予防接種を受けてはいけない」と思っている人は「予防接種を受ける」という人の考え方を到底受け入れられるものではなく、その逆もまたしかり。だからといって、自分と真逆の意見の人に、自分の考えを押し付けてしまうようなマネはタブーです。

AさんとCさんの仲がギクシャクしてしまったのは、「予防接種を受ける、受けない」が理由なのではなく「Aさんの考えをCさんが頭から否定してしまったこと」。インフルエンザの予防接種は任意接種。とうことは、受けない自由もあれば、受ける自由もあるのです。

まとめ

「予防接種は毒だから受けない」という人の中には、なぜかCさんのように他人にもアドバイスしてくる人がいます。しかしそれは間違い。あなたが受けないのはあなたの自由。しかし、決してそれが正解である、というわけではありません。

また、「予防接種を受けない」という人を理由も聞かずに否定するのもNG。体質などの問題で、受けることができない人もいる、ということをお忘れなく。いずれにせよ、予防接種を受ける、受けないを議論するのは、あまり良い結果にはならないのかもしれません。