『ハーパー・リーガン』『夜中に犬に起こった奇妙な事件』などで知られ、トニー賞とオリヴィエ賞を含む多数の受賞歴を誇る、英国を代表する劇作家サイモンスティーヴンス。その彼の新作『FORTUNE(フォーチュン)』が、やはり英国の第一線で活躍するショーン・ホームズの演出により、ここ日本でワールドプレミアを迎える。主演を務めるのは、『夜中に~』でアスペルガー症候群の少年を見事に演じ切った森田剛。共演にも吉岡里帆、田畑智子、根岸季衣、鶴見辰吾ら魅力的な顔ぶれが揃った。

主人公は、映画監督として成功を収めながらも、幼少期のトラウマにより常に喪失感を抱えて生きているフォーチュン(森田)。素直で真っ直ぐな若きプロデューサー、マギー(吉岡)に好意を抱くが、彼女は幸せな結婚生活を送っていた。マギー、財産。名誉。望むものをすべて手に入れるため、フォーチュンドラッグディーラールーシー(田畑)と“契約”を交わし、闇へと堕ちていく……。語り継がれるファウスト伝説をスティーヴンスが現代のロンドンに置き換えて描く、ホームズいわく「一筋縄ではいかないけれどやりがいがあり、驚きに満ちたダイナミックな戯曲」。

物語にも演出にも日英のコラボレーションにも注目が集まる話題作は、1月13日(月)から2月2日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウス、2月7日(金)から9日(日)まで長野・まつもと市民芸術館 主ホール、2月15日(土)から23日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、2月27日(木)から3月1日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールで上演される。

文:町田麻子

PARCO PRODUCE 2020 『FORTUNE(フォーチュン)』