近年の子育て・共働き家庭のニーズに応えて、食品宅配市場は右肩上がりに成長し続けています。特に、調理に必要な人数分の食材(カット済みの具材や調味料など)がセットになった料理キットの宅食サービスが人気です。

ところが、世の夫たちの中には「家事の怠慢じゃないか?」「料金が高すぎないか?」など、妻が宅食サービスを利用することに違和感を覚える人もいるようです。実を言うと、我が家の夫もそのひとり。そこで、宅食サービスの利用を渋っていた筆者の夫に、ホンネを聞いてみました。

料理のセンスが乏しい妻

前提として、筆者は料理があまり得意ではありません。とはいえ、料理をすること自体は好きです。独身時代には、自分好みの味付けや量に調理できる自炊生活を楽しんでいました。しかし結婚を機に、それまでのやり方では全く通用しないことを思い知らされます。

身長が150cmほどしかない小柄な筆者に対し、夫は身長180cm超えの大男、さらに趣味はスポーツでいつも腹ペコ…。一度の食事でも想定をはるかに超える量をペロリと平らげてしまうのです。

また筆者が知る料理レシピのバリエーションの少なさにも落胆する日々。悪気は全くないのですが、夫は和洋折衷さまざまな料理をリクエストしてくるのです。おそらく調理師免許を有する義母が、いろいろな料理で夫を育ててきたのでしょう。

この状況を打開するために人生初の料理本を買い、料理サイトを閲覧し、レシピ通りに料理を作る練習をしました。ところが…料理本に記載されている材料が全てそろわなかったり、調味料が不足していたりすると、なかなか納得の行く仕上がりにならないのです。おそらく、料理のセンスがないのでしょう。

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2人目の出産&仕事復帰で事態は一変!

やっと夫のリクエストに応えられるようになってきた頃、第一子が誕生。また“離乳食作り”という新たな壁が立ちはだかりましたが、一度にたくさん作って冷凍保存したり、電子レンジで簡単調理をしたりを駆使し、何とかやっていました。そして、大人用と子ども用の料理を作り分けるコツをつかめてきた頃に第二子が誕生。さらに第二子が生後6ヶ月を迎える頃、筆者が仕事復帰することになったのです。

すると、家庭生活が一変!筆者の時間的・精神的余裕がなくなり、家事はいつも後手後手状態…特に料理に割く時間は明らかに短くなってしまいました。「夫や子どもたちのために料理を作ってあげたい!でも…献立を考える時間や買い出しをする時間を捻出できない…」そんな現実と理想とのギャップに苦しむ日々が続きました。

気になっていた宅食サービスを利用してみることに

そんなある日、職場の仲間が“宅食サービス”なるものの存在を教えてくれました。特におすすめは?

・料理レシピ
・カット済み・下ごしらえ済みの食材
調味料 など

上記のセットが自宅に届く料理キット。料理キットなら、届いた食材をレシピ通りに調理するだけなので、献立を考える手間や買い物をする時間、調理の手間も省けるのだとか。またレシピもバラエティーに富んでおり、日ごろ食べないような珍しい野菜なども食べられるそう。自ら調理をしながら「今日は、どんな料理ができあがるんだろ~!」と、毎晩ワクワクで料理を楽しんでいるという仲間もいました。

話を聞いた日に、さっそく夫に宅食サービスの魅力をプレゼンすることに。が、しかし…夫は全く気が進ない様子。その後、夫は納得していないようでしたが、友人からの紹介で新規登録すると特典を受けられるとのことだったので、とりあえずお試しで宅食サービスを利用してみることにしたのです。

夫は、宅食サービスに頼る妻をどう思っている?

実際に宅食サービスを利用してみると、食材の鮮度・シンプルなレシピ・料理の美味しさに驚かされました。そして何より、調理済みのおかずが届くのではなく、あくまでも料理をするのは“自分自身”という点が大変気に入っています。

宅食サービスを利用しはじめて約1ヶ月。当初、サービスの利用に前向きではなかった夫に現在の心境を聞いてみることにしました。

なぜ、宅食サービスの利用を渋っていた?

・料理されたものが届くならまだしも、未調理の具材などが届くなら自宅で料理をするのと変わらないのではないか
・現状の妻の料理で満足している
・5日分で約5,000円(2人分)なんて、コストがかかりすぎている

実際に利用してみた感想は?

・調理にかかる時間が短くなったので、家族だんらんの時間が増えて嬉しい
・野菜や具材が思った以上に新鮮!
・これまで食卓に登場したことがなかった料理が味わえて嬉しい
・料金が高いと気になっていたが、スーパーなどで買った食材を使いきれず廃棄することもよくあったため、意外とお手頃なのでは?(検証中)
・子どもも美味しそうに食べているのでOK!

妻が考える宅食サービスの魅力を夫と共有するのは困難

夫のホンネを聞いたことで、妻にとっての宅食サービスの魅力を夫と共有することは難しいと感じました。筆者にとって、献立を考える手間や買い物をする時間、調理の手間を省くことができることこそ宅食サービスの何よりの魅力。しかし夫にこれらの魅力ポイントをいくらプレゼンしても響かなかったのは、日々料理をする大変さを知らないからでしょう。

そのため宅食サービスの利用を納得してもらうには、魅力を言葉で伝えるのではなく、まずは一度お試しコースなどを利用してみて、食材の鮮度や味を実際に確かめてもらうのが手っ取り速い方法ではないでしょうか。短時間で美味しい料理が食卓に上れば、きっと男性陣は納得してくれるはず!

あれこれ議論する前に、まずは一度試してみるのもアリ

宅食サービスは、家事の時短に役立つ大変魅力的なサービスです。しかし料理をしない人にとっては、割高に感じたり、メリットを見出しにくかったりするのではないでしょうか。

そのため、もし宅食サービスの利用に関して夫婦の意見が食い違うなら、深く議論する前に一度お試し注文をしてみるのがおすすめです!調理時間の短さや味などを実感したうえで、サービスの利用を継続するか話し合ってみましょう。