欧米では店のスタッフが万引犯と格闘したり取り押さえたりした場合、解雇や懲罰を受けることがある。多くの量販店や食料品店がこの行為を規則違反としているが、ハワイの家電量販店でセキュリティガードをしている女性が万引犯を見過ごすことができず、規則を破って解雇されてしまった。しかしその後、彼女に転機が訪れることになる。『New York Post』『TMZ』などが伝えた。

ハワイ州ホノルル市アイエアにある家電量販店「ベストバイ(Best Buy)」で昨年12月、ある男が高級スピーカー万引きしようとした。男は支払いを済ませないまま商品の箱を持って逃げようとしたが、これをセキュリティーの女性が体を張って阻止したことで商品は盗まれることなく、万引犯を店から追い出すことができた。

その様子は店内の監視カメラに捉えられているが、店から出ようとした男を大柄の女性が両手で突き飛ばして店内へと押し戻している。なおも逃げようとする男を突き飛ばした後に揉み合いになったことから、他のセキュリティースタッフが駆けつけて暴れる男を取り押さえた。そして女性は男の前に仁王立ちして「二度とここには来るな」と忠告した。

見事に店の商品を守ったセキュリティーの女性はホノルル在住のサマー・タパサ・サタラカさん(Summer Tapasa-Sataraka、24)だったが、彼女は会社の規則を破ったとして解雇されてしまったのだ。

サマーさん自身もクビを覚悟していたようだが、この男は以前にも万引きしたことがあり、その時は何もできずにいたことが悔やまれてならなかったそうだ。そのため今回はどうしても見過ごすことができなかったという。

そして解雇から数週間後、このサマーさんの雄姿を捉えた映像がSNSで拡散され人々の注目が集まった。これに目を留めたのが、米ネバダ州に本拠地を置く世界最大の総合格闘技団体「アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップUFC」の代表を務めるダナ・ホワイト氏(Dana White)だった。

ホワイト氏はサマーさんの万引犯に立ち向かう姿に感銘を受けたようで、SNSにサマーさんの映像を添えて次のように投稿した。

サマー・タパサ・サタラカさんはこの男がベストバイで万引きしようとしたのを止めました。彼女はこのため解雇されたのです。私はサマーさんにチケットを贈り、今週末のマクレガー対カウボーイの試合に飛んで来てもらうつもりです。彼女が私のもとで働くことを望んでいる。サマー! あなたの人生最高の週末に備えてください!」

ホワイト氏はすでにサマーさんと電話で話を済ませており、現地時間の18日に開催される「UFC246」でコナー・マクレガーと“カウボーイ”ことドナルド・セラーニのウェルター級の試合のVIP席に招待した。そこでホワイト氏はサマーさんに正式にスカウトを申し出るそうだ。

ホワイト氏はメディアのインタビューに「私は彼女をスターにするつもりだ! これから起こることを見ていてくれ!」と語っており、一方でサマーさんはFacebookに「私はずっと体が大きいだけの女の子でした。こんなチャンスが来るとは思ってもみませんでした」と喜びを綴っている。

画像は『Dana White 2020年1月11日付Facebook「This is Summer Tapasa-Sataraka.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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