知っているようで意外と知らない社会人マナー社会人になりたての頃ならまだしも、入社して3年過ぎても知らなかったり、間違ったマナーを覚えていたりすると、思わぬタイミングで恥をかくことになりますよ!

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※画像はイメージです(以下同じ)
 今回は、「電話の受け方」について、人財育成や企業コンサルティング、研修、講演や、メディア出演、NHK大河ドラマなどのマナー指導なども行い、28万部の『お仕事のマナーとコツ』(学研)、『かつてない結果を導く 超「接待」術』(青春出版社)など国内外で85冊以上もの著書、監修本もある西出ひろ子氏に、現場で使えて役立つビジネスマナーについて話を聞きました。

 不安なく、自信をもって電話応対ができる秘訣は何なのか? みなさんも一緒に考えてみましょう。(以下、西出ひろ子氏の話)

会話は快活で明るい「声の表情」を意識

 最近の新入社員のなかには、オフィスの電話が鳴っても出たがらない人がいるという声を伺うことがあります。

 個人間のやり取りで誰からかかってくるかわかる携帯電話や、EメールSNSなど文字のコミュニケーションに慣れている方々からすれば、誰からかかってくるのかわからない会社の電話にでることに、躊躇や不安を感じる方も多いことでしょう。

 しかし、企業に属し、自社が電話を使用している場合は、仕事の一部として、電話応対は大切なことといえます。もしも、電話での対応に苦手意識がある場合は今回の記事をきっかけに、正しい電話の受け方をマスターし、自信をもって電話での対応もできる人になりましょう。

電話を受けるときの基本ポイント

電話

1. 電話を受けるときには、基本的に2コール以内で出る

 電話がなったら、2コール以内ででるよう心がけてみましょう。電話をかけている人の立場にたてば、早くでて欲しいと思っています。

2. 声のトーンを意識する

 電話は声と言葉のコミュニケーションです。電話応対での第一印象をよくするためには、第一声を明るく、少々高めの声を出すと意識することです。具体的には、ドレミファソの「ソ」の音。電話の第一声はドレミファソラシドのソの音が良いといわれています。快活で明るい声を出せるように、日頃から意識的にボイストレーニングをしてみるのも良いですね。

3. メモの準備をする

 続いて、筆記用具の準備は必須です。手元には常時、メモ用紙とペンを備えておきます。そうすることで、電話が鳴っても慌てずに対応できますね。

4. 明るい表情で電話にでる

 そして、基本ポイントのミソといえるのが「顔の表情と声」の連動です。電話は顔が見えないコミュニケーションですが、「声の表情」によって感情表現は相手に伝わります。相手を思いやる、感謝の気持ちで明るく微笑みながら声を発してみましょう。

「電話がかかってきたとき」のNGワード

 ビジネスシーンの電話応対での第一声に「もしもし」は使いません。理由は、「もしもし」は目上が目下に使う「もの申す」から派生した言葉だからです。ビジネスシーンでは、相手様全員を敬う気持ちを持ちますから、上から目線の言葉が使用しないのがマナーという考え方から成っているのですね。

 さて、次は「電話がかかってきたとき」、あなたがスムーズに応対できるよう、一連の流れを一緒に学んでまいりましょう。

1. 第一声のセリフは?

 朝10:30までにかかってきた電話には「おはようございます」。それ以外の時間帯は、2コール以内に「はい」と言って出ます。もしも2コール以内で出られなかった場合は「お待たせいたしました」、5コール以上の場合は「大変お待たせいたしました」と言ってから出るように心がけてくださいね

2. 会社名を名乗る

 次に、自社の社名を名乗ります。自宅の電話であれば、自分の名字を名乗りますが、会社にかかってきた電話ですから、まずは社名を名乗ってくださいね。会社によっては、社名を名乗ったあとに、自分の名字を名乗るように指導している会社もあります。

 その後、相手が社名と名前を名乗りますから、「●●会社の○○様でいらっしゃいますね」と社名とお名前を復唱確認します。以降は相手様のお名前で呼びかけてコミュニケーションをとると相手は丁重に特別に接してくれていると良い印象をいだいてくれます。

3. 日頃の御礼 電話の挨拶言葉を伝える

 相手の社名とお名前を確認したら「いつもお世話になっており、ありがとうございます」と、日頃のお礼を伝えます。社名やお名前が聞き取れなかったのに「いつもお世話になっております」というのは、マニュアルセリフをただ言っているだけです。これは、マナーの本質からすると心、気持ちがこもっていないため、失礼なことなのです。ですから、かえって相手を不快にする場合があるので、気をつけてくださいね

「電話がかかってきたとき」のNGワード②

電話

4. 名指し人の確認

 続いて用件を伺うとともに、名指し人が誰かを確認します。「営業部の◯◯でございますね。少々お待ちいただけますでしょうか」といい、保留のボタンを押します。その後に内線で名指し人を呼び出します。このとき、保留ボタンを押さずに、受話器を手で押さえて、「○○さぁーん、○番にお電話ですぅ~」など大声で名前を呼ぶのは厳禁!

5. 名指し人が不在の場合

 もしも名指し人が不在だった場合は、「お待たせいたしました。大変申し訳ございません。ただいま◯◯は会議に入っておりまして、16時ごろに戻って参る予定でございます」などと、電話をかけてきた相手に報告します。

 ここでのポイントは、

1)取次中にお待たせしたこと
2)名指し人にすぐに取り次げないことをお詫び
3)取り次げない理由と連絡がつくタイミング


 を伝えます。そして、「戻りましたら、○○様へ○○より折り返しのお電話をいたしますが、ご都合はいかがでしょうか」と折り返しの電話は必要が、不要かなど今後のご希望を伺います。

「電話がかかってきたとき」のNGワード③

6. 電話番号の聞き方

 折り返しのお電話をご希望された場合は、相手の電話番号を伺います。たとえお得意様ですでに電話番号を知っている、という場合だとしてもです。理由は、名指し人に電話番号を調べさせる手間をかけさせない配慮であったり、万が一、番号が変更している場合なども想定するからです。そこで、「念のため」とクッション言葉を挟んでから、先方の電話番号を確認します。

 電話番号を教えていただいたら、オウム返しで復唱します。このときも「お手数おかけし恐縮でございますが」「お手数かとは存じますが」などのクッション言葉をトッピングして「復唱させていただきます」といって、復唱、確認をします。そして、相手からOKをいただいたら、「ありがとうございます」と電話番号を教えていただいたこと、復唱確認してもらったことに対して感謝の言葉を伝えます。

7. 責任の所在を明らかに 自分の名前を名乗る

 最後に電話があったことを名指し人に伝えることを確約するとともに、電話を受けたあなたの名前も伝えます。そうすることで相手は安心して電話を切ることができますね。

 またこれは、その後、折り返しの電話がかかってこなかったなどのクレームになった際に、誰が電話を受けたのか、その人の伝言ミスなのか、伝言をしていたのに、名指し人がかけなかったのかなどの責任の所在を明らかにすることにもつながります。

 最初は慣れずにスムーズな電話応対をおこなうことができないかもしれませんが、落ち込まないでくださいね。最初からできる人などいませんから。しかし、お仕事の一環として電話応対をスムーズにこなせるビジネスパーソンカッコいいですね。失敗を恐れずに繰り返しチャレンジあるのみ!

 電話応対(受け方)もしっかりとマスターして実践できるようになりましょう。

TEXT/西出ひろ子>

【西出ひろ子】

マナーコンサルタント・美道家。ヒロコマナーグループ代表。これまで企業研修やコンサルティングなどで10万人以上にマナー指導をおこない、お客様満足度NO.1タイトルを取得させるなどの人財育成分野での結果を成果を出す。マナー評論家としてテレビ番組などのメディアへの出演も多数。国内外で85冊以上の著書・書籍監修を手がけているマナー界のカリスマ