中部大学の武田邦彦教授(2011年5月16日) 中部大学の武田邦彦教授は2011年5月16日福島県二本松市で「福島の復興はしっかりと掃除してきれいにすること」をテーマに講演した。武田教授は、福島第1原発の事故で被害を受けた福島県民が元の生活を取り戻すためには、「積極的に放射性物質を除くことをやっていかなければいけない」と述べた。

 武田教授は東京都出身の工学者。東京大学教養学部を卒業後、旭化成に入社。ウラン濃縮などの研究に携わった。内閣府原子力委員会や内閣府原子力安全委員会の専門委員を歴任した原子力の専門家。地球温暖化問題や資源保護問題にも造詣が深く、出演した「たかじんのそこまで言って委員会」や「ビートたけしのTVタックル」などの討論番組では、歯に衣着せぬ発言で話題を呼んだ。

 武田教授は福島県内に飛散する放射性物質の現状について言及。質疑応答で聴講者が「リアルタイム放射線量をどう受け止めて行動すればいいのか」と問いかけると、武田教授は「(福島第一原発事故の直後)最初の放射線は飛んでくる量で決まっていたが、今はかつて飛んできた放射性物質が溜まった状態。ヨウ素半減期が8日)とは異なり、セシウム半減期が30年)量は時間が経っても変わらない。手で取らない限り絶対に無くならない」と述べた。

 また、福島県郡山市の小学校が校庭から汚染表土を除去したことを例に挙げ、「放射性物質は単なる粉だから取ってしまえばいい。まずはそれをやる。できるだけ早い時期に、放射性物質が土に染みないうちに、可能な限りきれいにする」と、汚染表土を迅速に除去することの必要性を強調。次に、道路の清掃、溝さらい、草刈、庭土の除去、家やベランダの掃除など、全体的に掃除をすることにより放射性物質を取り除くことの必要性を訴え、福島県の復興のためには「積極的に放射性物質を除くことをやっていかなければいけない」と述べた。

 さらに、除去した汚染表土の処理方法についても具体案を提示。「一番いい方法はビニールに包んで庭に仮埋めしておく。やがて自治体がそういうものを集めるとなったときに出せるようにしておく」と述べた。汚染された農作物の処理方法については「県内に放射性物質が付着した農作物を処理する設備をつくるべき。国の力を使って早めに除染しなければならない」と訴えた。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]放射性物質の除去部分から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv49483108?ref=news#33:13

(三好尚紀)

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