「JDM」、「25年ルール」とは何か
JDMとはJAPANESE DOMESTIC MARKET=日本独自仕様のこと。
現在は廃止されている装備含めてあげてみると、
・日本市場専売車
・右ハンドル車
・オレンジウインカー(後ろ)
・速度超過警告音
・kmのみ表示の速度計
・AT車のリバース警告音
・軽自動車
・旧車の小径ハンドル
・深リムホイール
などがJDMに定義される。
なお、欧州車も本国では前後ともオレンジ色のウインカーだが、アメリカにおいては後ろが赤色ウインカーになる。
よって、オレンジウインカー=JDMという認識もある。
「25年ルール」とは簡単に言うと、製造から25年経過した車両はFMVSS(アメリカにおける保安基準)の縛りを受ける事無く、アメリカに中古車として輸入し、販売、登録が可能になることである。
こちらは日本車に限らず英国仕様の右ハンドル車も同じ扱いとなる。ちなみにカナダは同ルールの適用が15年でOK。
「製造から25年経過」はメーカーに問い合わせるなどして製造月日がわかれば確認できる。一般的には車検証に記載された登録日(最初にナンバーが付いた日)がベースとなる。
車検証がないなどの書類無し車の場合も明らかに25年以上経過しているとわかる場合は25年ルールが適用される。
アメリカのJDMファンが心待ちにしている2020年に「合法」となる1994年末~1995年製造の日本車を紹介してみよう。
意外なクルマも ことし輸入解禁の日本車
日産ラシーン
近年のアメリカでじわじわと人気を広げつつあるのが、パオ(1989年)やエスカルゴ(1989年)、フィガロ(1991年)などのいわゆるパイクカーだ。
3モデルともすでに25年ルール適用となっており、アメリカでは数百台の在庫を持つ専門店ができるほどの人気となっている。
1994年12月に発売開始され2000年8月まで生産されたたラシーンは、パイクカーシリーズの中では珍しい量産モデル。
他のパイクカーのように数量限定や期間限定などの縛りがない分、アメリカへ輸出される台数もけた違いに多くなりそう。
日産スカイラインGT-R(R33)
R33 GT-Rは1995年1月の東京オートサロン会場にて発表された。
R32やR34ほどの人気はないとはいえ、やはり心待ちにしているJDMファンは多い。
日本で16674台が製造された記録があるが、2020年に合法となるのはもちろん1995年に製造されたシリーズ1が中心となる。
GT-Rシリーズは、35 GT-R以外、北米仕様は販売されておらずすべて右ハンドルとなるため、アメリカで乗る場合はとにかく25年を待つしかない。
トヨタ・メガクルーザー
和製ハマーとも呼ばれるメガクルーザーは陸上自衛隊向け高機動車の民生用として1996年1月から販売されたが生産は1995年からスタートしている。
民生用としての生産はわずか148台(一部には132台説も?)だが、「他人と違うクルマが欲しい!」というマニアックなJDMファンには最高の1台となるだろう。
米で販売されていても右ハンドルが人気
米国仕様(つまり左ハンドル)として新車時から普通にアメリカで販売されてきた車種であっても、JDMファンにとっては好きなクルマを「右ハンドルで乗る」こと自体に強い憧れを抱き、最高のステイタスとなる。
日本で25年間使われてきたという事実が真のJDMとして非常に高い価値を持つのだ。
とくに、90年代後半は西海岸に始まるスポコンブームが過熱し始めていた時期。2020年は人気の中心となった以下のホンダ車が解禁となる。
ホンダ・インテグラ・タイプR
1993年から生産開始された3代目インテグラは、2018年に25年ルール適用となっていたが、タイプRは1995年8月の発売なので今年8月以降に解禁となる。
インテグラ初の「タイプR」で、3ドアクーペと4ドアハードトップに設定された。
このタイミングでマイナーチェンジも行われており、ヘッドライトのデザイン変更によって、イメージがかなり変わっている。
ホンダ・シビック(EK)
6世代目にあたりEKシビックは1995年9月に日本での販売が開始された。
アメリカではスポコンブームの先駆けとなったモデルであり、その人気を受けて1999年にはアメリカ独自のスポーツクーペとなるSiバージョンが登場し人気を博した。
アメリカにおけるホンダ車人気はすこぶる高く、アフターマーケットのカスタムパーツが豊富なことでも、アメリカの若者たちに絶大な人気を誇っている。
ワイルド・スピードで支持率上昇の三菱車
エクリプスやランエボに代表される三菱車は映画ワイルド・スピードの人気によって、支持率が急激に高まった。
1995年に日本での販売が始まった三菱車は以下の3車種である。
三菱ランサー・エボリューションIII
欧州や日本と違って、アメリカでは「WRCで活躍するラリー車」はそれほど評価を得ていないが、ランエボシリーズは映画ワイルド・スピードに登場したことで一気に注目を集めた。
1995年1月に日本での販売を開始したランエボ第1世代の完成形といえるエボIIIはスピードといかにも速そうな外観でアメリカでの評価が高まるのは必至だ。
三菱パジェロミニ
1994年12月発売のパジェロミニは、アメリカには存在しない軽自動車&SUVというユニークなカテゴリーが特徴。
アメリカも都市部以外は舗装が行き届いていない場所も多いため悪路走破性の点でも注目を集めるだろう。
軽トラと同じく、農場でのニーズも増えそう。
三菱FTO
FTOは1994年10月に日本での販売をスタートし、2000年7月に生産終了となった。
生産台数は1995年がケタ違いに多い。速さとスポーティなシルエットでこちらも2020年にアメリカでのブレイクが期待される。
なお、25年ルールが適用されて輸入解禁となっても、登録する州によってはカリフォルニア州の排ガス規制に代表される各州の基準をクリアする必要がある。
ただし、トランプ政権が独自に排ガス基準を設定するカリフォルニア州の権限を取り消そうとしていることから、今後はどうなるか不明である。
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