日本のファミリーレストランは非常にレベルが高いと言えるだろう。和洋中と様々なジャンルがあり、店内は清潔で価格も手ごろ、誰でもいつでも気軽に入れる雰囲気がある。食事はもちろん、ドリンクバーもあるのでゆっくり過ごしたい人にも利用されている。

 中国メディアの百家号は14日、「中国を征服した日本のファミレス」としてサイゼリヤを紹介する記事を掲載した。2003年に上海に海外1号店をオープンしてから、北京や上海、広州などに多数の店舗を出店しているが、いかにして中国人の心をつかんでいるか分析している。

 記事によると、サイゼリヤはなんといっても「安さ」が魅力だという。記事の中国人筆者自身も、洋風の内装と優しい照明、静かに接客している店員を見て「最初は高級な洋風レストランかと思った」そうだが、メニューを開いた瞬間にあまりの安さに「試験の時のようなアドレナリンが出た」と当時の興奮を伝えている。中国では洋食のレストランは高級路線ばかりで、「高い」というイメージがあるからだろう。

 筆者は、ドリンクバーはわずか8元(約130円)で、パスタやピザはそれぞれ11元(170円)、23元(360円)だったと紹介。日本よりも全体的に少し安い程度で、中国の物価からすると決して安いわけではないが、中国の洋食レストランとしては破格の値段だ。

 そのため、口コミも評価が非常に高く、「北京の一等地でこんなに安いなんて」、「聖母のようだ」など絶賛されていて、「洋食レストランの100円ショップ」、「貧乏人の幸せ食堂」、「慈善事業」などと呼ばれていると紹介。また、あまりの安さに「悪いお金を使っているのでは」と疑う人、安すぎて「怖くて入れなかった」人までいると伝えた。

 記事は、サイゼリヤではコスト削減のため、セントラルキッチンで製造したり、掃除や調理、接客をマニュアル化したりするなどの取り組みをしてきたことが成果につながったと伝えつつ称賛している。日本でもサイゼリヤの魅力はやはりその価格にあると言えるが、中国でも成功するカギはやはり「安さ」にあったようだ。経済成長の鈍化が伝えられる中国では、サイゼリヤがますます成長していくのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国を征服した日本のファミレス・・・サイゼリヤはなぜ成功したか=中国メディア