- アメリカの研究により、高脂肪牛乳を飲む人は、低脂肪牛乳を飲む人に比べ、寿命の減りが早いことが判明
- 摂取する牛乳の脂肪率が1%増加するごとに、寿命は約4.5年減っていることが示唆される
牛乳は、世界のあらゆる国や地域で消費されています。健康のため、日々の食卓に取り入れている人も多いでしょう。
しかしブリガムヤング大学(米)の新たな研究により、高脂肪牛乳を飲む人は、低脂肪牛乳を飲む人に比べ、寿命が縮んでいることが判明しました。
研究主任のラリー・タッカー氏は「結果はかなり明白で、もし高脂肪牛乳を日頃から飲んでいる人は注意した方がいい」と指摘します。
研究の詳細は、昨年10月28日付けで「Oxidative Medicine and Cellular Longevity」に掲載されました。
https://new.hindawi.com/journals/omcl/2019/1574021/
高脂肪で寿命が4年縮む⁈
牛乳にも様々な種類がありますが、特に異なるのは乳脂肪分です。脂肪分が0.5%以上の低脂肪牛乳、3.0%以上の一般的な「牛乳」、3.3%〜4.0%以上の特濃などに分かれます。中でも特に高脂肪なのが、この「特濃」や「濃厚」と表記されている牛乳です。
研究チームは、アメリカ在住の成人5834人を対象に調査しました。「牛乳摂取量(毎日飲むor1週間に1度かそれ以下)」「摂取する脂肪率(全脂肪、2%、1%、無脂肪)」「テロメアの長さ」の間の関係を調べています。
今回の調査では、被験者の約半数が毎日牛乳を摂取しており、残りが週に1度以上かそれ以下でした。その内、低脂肪か無脂肪乳を飲む人は全体の27%、牛乳をまったく飲まない人は13%、残りが全脂肪あるいは高脂肪牛乳を飲んでいます。
調査の結果は明らかで、全脂肪か高脂肪牛乳を頻繁に摂取する人ほど、テロメアが短くなっていることが判明しました。
テロメアは、ヒト染色体の末端部に位置しており、寿命と密接に関係しています。細胞が分裂するたびにテロメアが少しずつ失われていくので、テロメアが短いほど、残された寿命も少ないということです。
具体的には、摂取する牛乳の脂肪率が1%増加するごとに、テロメアは約69塩基対ずつ短くなっていました。これは寿命に換算すると約4.5年に相当します。さらに、全脂肪乳を定期的に摂取する人は、無脂肪乳を飲む人に比べ、145塩基対も短くなっていたのです。
しかし、この結果から、牛乳をまったく飲まなくなるのは間違いでしょう。別の研究では、低脂肪牛乳を飲む人は、牛乳をまったく飲まない人に比べて、テロメアが長く保たれることが分かっています。
大切なのは、どのタイプの牛乳を飲むかということ。長生きしたいなら、習慣的に全脂肪や高脂肪を飲むことは避けるのがベストでしょう。
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