連日お伝えしているオーストラリアの森林火災の状況はめまぐるしく変動している。オーストラリア東海岸は1月17日に豪雨に見舞われ、火の勢いが弱まったのは良いが、今度は動物たちが洪水の危険に見舞われているという。
長きにわたる火災により、森林が大規模な範囲で燃えるというだけでなく、人々が家を失い、多くの動物が被災しているのはご存じの通りだ。
今回は、オーストラリアの震災火災で何が起きたのかを振り返ってみることにしよう。そしてまた、動物たちを救い出し、消火や救助活動に奔走している人々たちの活動の様子を見ていこう。
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1.宇宙から見たオーストラリア
12月のオーストラリアの外気温は49度近く。熱と干ばつが原因とされる火災の様子は、宇宙からも一目瞭然のようだ。
800万ヘクタールの土地が燃え、炎の高さは230フィート(約70メートル)に達しているという。
Rain has brought a well-deserved improvement to the #BushFireCrisisAustralia situation
— Copernicus EMS (@CopernicusEMS) January 17, 2020
↙️ @NASA GPM Global Precipitation Measurement (GPM) data
↘️ #Copernicus #GWIS Global Wildfire Information System data: hot spots detections over the past 7 days (🟠) and 24 h (🔴) pic.twitter.com/fcU5IRX6mn
2.多くの動物が犠牲に
環境保護主義者によると、10億を超える哺乳類、鳥類、爬虫類が既に火災で死亡したとのこと。
3.コアラの個体数が激減
絶滅が危惧されていたコアラだが、この火災により数万匹が焼死したとみられている。
4.被災地域は煙に覆われ危険な状況に
森林火災の影響を最も受けているニューサウスウェールズ州とビクトリア州の住民らは、煙を吸い込まないように呼吸補助マスク(もしくは防毒マスク)を装着するようにと注意喚起が促された。
5.重傷を負った家畜を射殺
火災のために重傷を負った20頭の牛を射殺しなければならなかった酪農家の男性。仲間の農夫たちが彼を慰めている。火災は、動物や農夫らに耐えがたい苦痛を与えている。
6.救助活動のシフトを終えた消防隊員の姿
私のおじは、ニューサウスウェールズ州の消防隊員で、13時間のボランティアシフトを終えたところ。
7.疲れ果てる消防隊員たち
消火活動に奔走した消防隊員ら、激務の後車の中で思わず居眠り。
8.住民だって懸命に救助活動
パトリック・ボイルという男性住民は、森林火災で負傷した動物を探し出して助けている。このコアラは、彼が救った7匹のうちの1匹だ。
This guy has rescued seven koalas and taken them to Mallacoota Wildlife Shelter
— Debra 🐾✊🏻 (@DebraTranter) January 3, 2020
Incredible what a legend #BushfireCrisis #BushfiresVIC https://t.co/IVwbzVzJVb pic.twitter.com/GhDdL89Pow
9.救助されたコアラ、車内でぐったり
男性2人が火災現場へ行き、怪我をした動物を集めて病院へ搬送。
Koala Rescue on Kangaroo Island - Original
10.獣医院も動物の治療に尽力
2006年に他界したオーストラリアの有名な自然主義者で動物園経営者および環境保護運動家のスティーブ・アーウィンの家族が経営する獣医院は、火災で被災した9万匹の動物を救った。
11.助けてくれて、ありがとう
救ってくれたボランティアの女性にハグをするカンガルー。
12.犬も救助活動に大活躍
このベアー(Bear)という犬は、火災からコアラやその他の動物を救う手伝いをしているコアラ探知犬なんだよ。
13.不眠不休で消火活動に奔走してくれたチーム
ビクトリア州の沿岸都市マラクータの住民は、炎が迫って来た時に家を捨ててビーチへと避難しなければならなかった。この消防士チームのおかげで、マラクータの火災は消火された。
14.多くのコアラが治療中
山火事で足を負傷したコアラが救助され、ビリーと名付けられた。今、ビリーは順調に回復していて、世話をしている獣医院らのスタッフはすっかりビリーに恋してしまった。
15. 火災から一変、豪雨に見舞われる
1月17日、南東部のニューサウスウェールズ州など一部地域に激しい豪雨が発生した。恵みの雨をもたらすはずが、洪水の危険に見舞われている。
シドニー郊外にある動物園、レプタイルパークでは、15年ぶりの豪雨による鉄砲水が施設を浸水させ、閉鎖を余儀なくされた。スタッフらは火の中から救い出したコアラを、今度はずぶぬれになりながら、水から救い出すために奔走した。
WE GOT FLOODED! | The Australian Reptile Park
だがこの豪雨をもってしても完全な消火には至らなかった。今も82件の火災が続いていて、うち30件は食い止めることができていない。
References:brightside.meなど / written by Scarlet / edited by parumo
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