若竹千佐子による50万超えのベストセラー小説を映画化した『おらおらでひとりいぐも』の製作が発表され、監督を『南極料理人』『キツツキと雨』『横道世之介』などの沖田修一が、主人公を本作で15年ぶり映画主演となる田中裕子がつとめ、蒼井優と二人一役で演じることがわかった。

映画『おらおらでひとりいぐも』、その他の写真

本作は63歳の新人としてスポットを浴び史上最年長で第54回文藝賞・第158芥川賞をW受賞した若竹による50万超えのベストセラーを映画化した人間ドラマ。夫に先立たれ75歳でひとり暮らしをしている“桃子さん”を主人公に、孤独な生活がひょんな事をきっかけに賑やかな毎日に変わっていく様を描く。

原作は桃子さんの人生を「娘の時代」「妻の時代」「祖母の時代」の3つに分けて描いており、映画では「現在」の桃子さん(75歳)をNHK連続テレビ小説『おしん』をはじめ映画『天城越え』や『男はつらいよシリーズなどの田中が、「娘の時代」「妻の時代」(20〜34 歳)を蒼井が演じる。

映画化にあたり、沖田監督は「この原作をどうやって映画にするのか、企画をいただいた時、映像化が難しいと思う反面、他にないような不思議な映画になりそうだとも思いました」と語ると共に、田中と蒼井について「田中裕子さんとのお仕事は、毎日が刺激的で、緊張もありましたが、桃子さんの、生活の機微のようなものを撮っている時の、あの楽しさを思い返すと、とても素晴らしい時間だったと思います。また、蒼井優さんが、若い桃子さんに丁寧に向かってくださり、監督としては、もう二人の桃子さんを撮りながら、ひたすら感動していたのでした」と紹介。

田中は撮影の印象を「私も日々朽ちていくのでありますが、この歳になってこの作品に会えて、沖田監督にお会いできて、嬉しいです。監督の撮影中の一喜一憂される姿が目に焼き付いています」と振り返り、「私のこれからの日々に監督のあの姿を思い出してニヤニヤできる事が、私にとっての小さな春になりそうです。皆さま、ありがとうございました」と感謝。

蒼井も、田中裕子主演・沖田修一監督作品というコンビに「何があっても映画館で観たい作品に、自分も携わらせていただけたこと、心から嬉しく思います」と感激した心境と共に、「この作品は桃子さんという1人の女性のお話ですが、映画をご覧になられる方、皆さんのお話でもあると思います。桃子さんの今に想いを馳せたり、娘、直美の言動に自分を重ね反省したりしながら撮影を進めていました。1人の人生にスポットをあてた作品でありながら、壮大で奥行きのある、ユーモア溢れた作品になっていると思います」とコメントした。

映画『おらおらでひとりいぐも』は2020年公開予定。

(C) 2020 「おらおらでひとりいぐも」製作委員会