中国メディア・東方網は18日「ボロボロなイメージがある茅葺屋根の家が、どうして日本では観光スポットになるのか」とする記事を掲載した。

 記事は、中国では現在大部分の建築物が丈夫で防火能力が高い鉄筋コンクリート製であり、茅葺屋根の建物は脆くて防火能力が低いと認識され、国内からほぼ消失したと伝えた。

 そのうえで「しかし、日本には茅葺屋根で有名な特別な村がある。しかも毎年実に多くの観光客を呼び込んでいるのだ。それはいったいなぜなのか、何が特別なのか」として、京都府南丹市美山町にある「かやぶきの里」を紹介している。

 記事は「かやぶきの里」に並ぶ茅葺屋根の家屋について「われわれの印象にあるボロボロの家とは全く異なる。村落の建物全体が非常に整備されており、なおかつそこには懐かしさを感じさせるのだ」と評価。日本のかつての農村文化を感じさせる佇まいは観光客を大いに魅了し、気に入った場合には民宿で宿泊することもできると伝えた。

 また、火災に非常に弱いとされる茅葺屋根の家屋を守るため、この集落では2000年に火事が発生した後、母屋ごとに放水銃が整備されたと紹介。しかも現地の景観を損なわないように、集落内にある62基の放水銃はいずれも小屋の形をした箱に収納される工夫も施されているとした。

 広大な中国には、昔ながらの建物や集落がまだまだたくさん残っている。あからさまな改造による観光地化ではなく、自然な形で観光スポット化を進められれば、もとより多い中国の観光資源はさらに増えることになり、国内外の新たな観光需要を掘り起こせることだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

「ボロ屋」のイメージしかない茅葺の建物、どうして日本では観光スポット化できるのか=中国メディア