娘のためにXbox Adaptive Controllerを改造し、Nintendo Switch用のコントローラーを制作した父親が現れた。娘がゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドをプレイする動画は50万回以上再生され、業界の内外から多くの注目を集めている。

(画像はMicrosoft Store「Xbox アダプティブ コントローラー」より)

 「Xbox Adaptive Controller」は、身体的障害を持つ人でもゲームを楽しめるよう設計されたコントローラー。大きなふたつのボタンと、本体奥側面にびっしりと並ぶ外部接続用の端子が特長。国内でも数量限定で発売されていた。

 このコントローラーを改造したのは、ジャージー州にあるテクノロジートレーニングセンターの代表を務めるローリー・スティール氏。彼の娘は「Hereditary spastic paraplegia」(HSP) と呼ばれる遺伝性の疾患があり、脚部の筋肉が常に緊張状態にあるため、立って歩くことが難しい。Steel氏は質問への答えで、彼女の場合は手の筋肉も硬直しており、曲げた指を開くことが難しいほか、言語に関する運動失調があると述べている

 それでも彼女は、友達と一緒に『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をプレイすることを望んでいた。

 試作品を公開したツイートには、Xboxのシニアデザイナーで「Xbox Adaptive Controller」の共同発明者のひとりでもあるBryce Johnson氏も反応し、好感触を示している。

 次の画像は、お披露目の前日に投稿された。周りにピカピカと光るのはボタンだ。裏側には、相当な労力を伺える配線がビッシリと張り巡らされており、これら全てのボタンを端子に接続することによって任意の動作を行えるらしい。

 記事冒頭で紹介した完成品の動画では、どのようにコードがコントローラーに接続されているかが確認できる。同ツイートにはマリオ+ラビッツ キングダムバトルのディレクターを務めたUbisoftのDavide Soliani氏や、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の英語版ボイスでゼルダ姫を演じたPatricia Summersettさんからも喜びに共感するリプライが送られている。

 「娘は私にとってもっとも厳しい批評家になるだろう」と試作段階でツイートしていたSteel氏だが、友達と一緒にゲームを楽しめるようになり、満面の笑顔を見せる娘からはどうやら合格点をもらえたようだ。

ライター/ヨシムネ

ライター
ヨシムネ
2019年11月加入。小学生の時に『ラグナロクオンライン』に出会ったことがきっかけでオンラインゲームにのめり込む。
コミュニケーション手段としてのゲームを追い続けている。好きなゲームは『アクトレイザー』『モンスターファームアドバンス2』『新・世界樹の迷宮2』など。