50年以上にわたってハリウッドで活躍してきたロバート・レッドフォードがついに引退。その花道を飾った『さらば愛しきアウトロー』のブルーレイとDVDが1月22日(水)にリリースされる。

【写真を見る】犯行現場では常に冷静なフォレスト

レッドフォードが最後に演じたのは逮捕されては脱走を図り、銀行強盗を繰り返した実在のアウトロー。80年代初頭に初老メンバーで構成された“黄昏ギャング”として、数々の伝説的強盗を成し遂げた男だ。レッドフォードが主催するサンダンス映画祭で注目を浴びた『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』のデヴィッド・ロウリーが監督を務め、脇を固める共演者もケイシー・アフレック、シシー・スペイセクら実力派揃い。監督いわく、「本作は、過去にレッドフォード演じたキャラクターを数多く投影した彼の集大成」。まさに俳優レッドフォードの最後を飾るにふさわしい一作だ。そこで本作に見られるフォレストの“流儀”に込められたロバート・レッドフォード映画へのオマージュを探ってみた。

■ 誰も傷つけない犯行スタイル

フォレストの手口は、弾の入っていない銃をチラッと見せるだけ。決して相手を攻撃せず、簡単に強盗をやってのける。『ホットロック』(72)で演じた泥棒も、盗みを生業としながらも暴力と弱い者イジメが大嫌いな男だ。

 

■ 警察や被害者さえも魅了する上品さ

微笑みながら金を要求するフォレストを、被害者は一様に「紳士的」と評す。その爽やかなアウトロー像は『スティング』(73)の詐欺師と重なり、同作での鼻をこする仲間同士の合図はフォレストと彼を追う刑事ジョン(ケイシー・アフレック)の間でも見られる。

 

■ 自由を追い求める人生哲学

安定よりも自由を求めるフォレストは、何度も強盗を繰り返す。『明日に向って撃て!』(69)でレッドフォードが演じたサンダンス・キッドも夢を追い求めて自由奔放に生き、自ら銃撃戦に飛び込んでいく。ちなみに冒頭の字幕、「この映画はほとんど実話である」は本作と同じ。

 

■ 何度捕まっても脱走を図る執念

13歳で初めて逮捕されて以来、16回の脱獄に成功したフォレスト。劇中でも映像が使用されている『逃亡地帯』(66)では、トラブルに見舞われながらも脱獄し、南部の故郷に戻ろうとする不屈の青年を演じた。

 

■ 女性には決して溺れない流れ者

自由を愛する生来の流れ者であるフォレストは、ジュエル(シシー・スペイセク)に好意を寄せるも結婚の意志はない。『白銀のレーサー』(69)、『お前と俺』(70)などでの女ったらしキャラが年齢を重ねると、フォレストのような老人になっているかも。(Movie Walker・坂田正樹【DVD&動画配信でーた】)

レッドフォードが演じるフォレストは仲間と大銀行での強盗を成功させ、FBIから追われる身に