中国メディア・東方網は19日、日本から上海に向かう旅客機の操縦席ガラスが離陸前にひび割れしたトラブルについて「『中国機長』の映画が再現されかねなかった」とする記事を記事を掲載した。

 記事は、18日午前10時ごろに成田空港を出発する予定だった日本航空上海行き873便(ボーイング787-9型機)が滑走路を走行中、操縦室のガラスにひびが入り、急遽離陸を中止したと紹介。機長席正面の大窓のガラスが割れて旅客機が搭乗口まで引き返し、乗客乗員79人は全員無事でケガもなかったと伝えた。

 そのうえで、2018年5月14日に四川航空の旅客機が上空を飛行中に操縦席の窓ガラスが破損して、操縦室内の気圧と気温が急降下し、副操縦士の上半身が機外に吸い出されそうになるトラブルが発生したことに言及。この時は戦闘機の操縦経験も持つ機長以下乗組員が必死に対処し、成都の空港への緊急着陸に成功して乗員乗客128人の命を守ったとした。

 約30分に及ぶ非常事態を乗り切ったこの出来事は「世界の民間航空史上の奇跡」と称され、機長らが「英雄」として中国政府から表彰された。そして、昨年9月には「中国機長」というタイトルで映画化されている。

 記事は今回のトラブルについて「離陸前に亀裂が発生したのは幸運だった。そして、上海に向かおうとしていた乗客たちが最もラッキーだった。帰国して春節を過ごそうとしていた乗客も多かったことだろう。もし上空でガラスが破損したらと考えると冷や汗ものだ」と評した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本の旅客機がトラブル、一歩違えば中国で映画化された事態になるところだった=中国メディア