架け橋ゲームズは、1980年代風アドベンチャーゲームStories Untold』Nintendo Switch1月23日に配信すると発表した。本作はすでにSteamEpic Games StoreでPC版が発売されている作品だが、日本語対応はこのNintendo Switch版が初となる。

 本作は「インタラクティブ・フィクション」と呼ばれる80年代のテキストベースのアドベンチャーゲームにフォーカスを置いた作品だ。欧米でいまだ人気の根強い同ジャンルを軸にした本作だが、ただ単にレトロ感を再現しただけではなく、実験的な取り組みを持つ作品としても高い評価を得ている。

 その仕掛けとは、「アドベンチャーゲームをプレイしている画面をプレイヤー側から俯瞰として見るメタ的な構造」だ。ゲームそのものは、4つのエピソードが用意されたアンソロジー形式となっているが、それぞれにはプレイヤーを驚かせるようなギミックや展開が含まれており、ネタバレ厳禁な作品と言えるだろう。

 なおPC版では、キーボードで「扉 開ける」などのコマンドを入力していくコマンド入力型と呼ばれるスタイルを取っていたが、Nintendo Switch版ではコマンドがもともと用意されたコマンド選択型になっている。

 このため80年代初期のアドベンチャーゲームにあった「言葉探し」を完全に追体験できるとはいえないが、テンポ感は増しており、コマンド入力型に馴染みがない人でもプレイしやすくなっているといえるだろう。

(画像はTwitter@Kakehashi Gamesより)
(画像はTwitter@Kakehashi Gamesより)
(画像はTwitter@Kakehashi Gamesより)
(画像はTwitter@Kakehashi Gamesより)

 本作はSteamなどで高い評価を受けていたが、テキストベースのアドベンチャーゲームということもあり、言語的には敷居が高い作品であった。しかしこうして日本語でローカライズされることなったのは、非常に朗報といえる。

 なお開発したNo Codeは、スコットランドに拠点を置く開発スタジオで、『Alien: Isolation』の開発に携わったメンバーが在籍している。プレイヤーが宇宙ステーションのAIになる、こちらもユニークなアドベンチャーゲームObservationで注目を集めたスタジオだ。『Observation』は、すでにPS4で日本語化されて配信中なので、気になる人はこちらもチェックしてみてはいかがだろう。

ライター/福山幸司

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman