過激な殺戮描写が連続し、映像化不可能と言われた平山夢明の同名小説を蜷川実花監督が映像化した『Diner ダイナー』のブルーレイ&DVDが1月22日(水)に発売。殺し屋たちのクレイジーな宴を、独特の空間演出やオリジナリティあふれる料理、華やかな衣装で表現し、殺し屋専用の食堂=ダイナーをポップなアート空間に仕上げている。

【写真を見る】藤原竜也演じるダイナーのシェフ、ボンベロ

今回発売されるブルーレイ豪華版には、初公開となる蜷川監督撮り下ろし写真が満載のブックレットが付き、スペシャルメイキング(ロングver.)などの映像特典も充実。監督がつくり上げたディープな世界観を堪能できる仕様だ。

非日常な世界観がクセになる蜷川実花ワールドをさらに輝かせた“極上のスパイス”とは? 撮り下ろし写真と共に"砂糖ひと粒"にまでこだわった蜷川監督の美学に迫る!

■ 【ACTION】血しぶきと花びらが舞う殺し屋たちの華麗な死闘

グロテスクに思えるシーンでも耽美に撮り上げるのが蜷川流。殺し屋同士の激しい襲撃戦が展開するクライマックスでは、血しぶきのように真っ赤なバラや桜の花びらが舞い踊る。水が降りしきるなかでの死闘は、父、蜷川幸雄の演出を想起させる迫力の仕上がりに。

 

■ 【FOOD】ただならぬ雰囲気漂う料理

トッピングや盛り付けに独特のアレンジを加えることで、非日常を感じさせる料理が誕生。くり抜いたピーマンが器のナポリタンは、ド派手な見た目に。黒いバンズと白いチーズのコントラストがまぶしいハンバーガーに、血を彷彿とさせる赤いソースを滴らせ、平凡なジャンクフードを独創的な料理へと昇華させている。

 

■ 【FASHION】和テイストを織り交ぜた絢爛な衣装

ひと筋縄ではいかない殺し屋たちの個性を衣装でも表現。ボンベロのコックコートには、袴をイメージしたデザインを取り入れ、切れ味鋭い彼の魅力を際立たせた。また、一瞬しか映らないブタ男(金子ノブアキ)のタトゥーを6時間かけて作成するなど、キャラクター・ビジュアルの隅々までに監督の美的センスが宿っている。

 

■ 【SPACE】狂気が香る異様な空間演出

来客を歓迎するのは巨匠、横尾忠則の名画たち。ピンクのネオンが輝くメインホールの先には、殺し屋たちの内面を反映した個室が並ぶ。傷だらけの殺し屋スキン(窪田正孝)が案内される部屋には、十字架が飾られており、まるで墓地のように物悲しい。(Movie Walker・文/前田有一【DVD&動画配信でーた】)

ブルーレイ豪華版に監督の美学が詰め込まれた撮り下ろし写真を収録