小学生ともなると、そろそろおしゃれに興味を持ちだすお年頃。特に女の子は、コーディネイトや髪型、持ち物にこだわりを持ち始める子も多くなります。

おしゃれをしたい、可愛くなりたい」という我が子の成長をほほえましく感じる反面、「まだ小さいのにませている」「小学生なのにおしゃれなんて必要ない」という批判を受け、悲しく後ろめたい気持ちになる…そんなママたちの葛藤、ご存知ですか?

オシャレに興味を持ち始めた我が娘

筆者の娘は小学2年生。最近、隔月に発売される小学校低学年女子向けの情報紙を貯めておいたお小遣いで購入し始めました。雑誌には女子に人気のアニメやキャラクターの情報が満載。娘は次の号が出るまで、繰り返し何度も大切に読み返しています。中には、読者モデルの女の子によるコーデ紹介や、学校へ持っていく文房具などの持ち物紹介、ヘアアレンジのコーナーも。

筆者もページをめくりながら「最近の子どもはオシャレだなぁ」と感心していると、横から娘が「このコーデが可愛いと思う」「明日はこの髪型にしてほしい」と口をはさんできます。

特に教えたわけでもないのに、やっぱり女の子ってオシャレが好きなんだなぁ…と思った筆者。娘の友人もみな、オシャレに興味を持ち始めたようで、お互いのファッションや髪ゴムなどを褒めあったり、休み時間にお友達同士でヘアアレンジを楽しんだりしているようです。娘もご多分にもれず、余り毛糸でお友達とおそろいのミサンガを編んだり、自由帳に自分で考えたコーディネイトをスケッチしたり、できる範囲のオシャレを満喫しており、筆者はそれをほほえましく眺めています。

しかし、小学校低学年のうちから「オシャレに興味を持つ」ことに眉をひそめる人も、少なからずいるようです。

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オシャレに興味を持つのは悪いこと?

筆者と同じく、小学校2年生の女の子を持つDさんは、ため息交じりにこう話してくれました。
「うちの娘は最近、お友達の影響でオシャレに興味を持ち始めました。かと言って、服を何着も欲しがるわけではありませんし、メイクをするわけでもありません。せいぜい手持ちの洋服で、自分なりにコーディネイトを楽しんだり、休日にお湯でオフできるマニキュアを自分で塗って満足したりしている程度。でも、それをよく思わない人もいるんですね」

きっかけは義実家に行ったときのこと。娘さんがマニキュアを塗った爪を得意げにお姑さんに見せたときのことです。「義母さんの顔色がさっと変わって…。『まだ小さいのにマニキュアなんか塗って、ませている。まだまだオシャレに興味を持つ年頃じゃないし、可愛くない、すぐに落としなさい。まさか学校にもつけていってるんじゃないでしょうね!』と言い放ったんです。

『これはお湯で落ちるもので、当然学校にはつけて行っていません。今回はおばあちゃんにキレイな爪を見せたいから塗っただけなんです』と私が言っても『ませている』『可愛くない』の一点張り。あそこまで否定しなくてもいいのに」Dさんだけではありません。子どもがファッションに興味を持っている、というと嫌味を言われた経験をもつママは、他にもたくさんいます。

「小学生からオシャレにうつつを抜かすなんて、お母さんがさぞかし外見にばかり気を使ってるんでしょうね、と嫌味を言われた」「小学校のうちは動きやすい服を着せておいたらいい。ファッション性を重視するなんてぜいたくだ、とママ友に言われた」

さまざまなお話を聞かせてもらって気がついたこと、それは「小学生にオシャレは必要ない」と思っている人たちは「オシャレに興味を持っているから、勉強がおろそかになっている」という考え方だ、ということ。確かに子どもたちの本分は「よく学び、よく遊び、健やかに成長すること」です。だからといって、オシャレに興味を持ってはいけない、と決めつけるのはいささか乱暴な気がします。

メイクやネイルをして登校する、勉強そっちのけでファッション誌を読みふける、高価なブランド服ばかりおねだりする…などとなれば考えものですが、そうではなく、自分のできる範囲で精いっぱいオシャレしている子どもたちの姿は、見ていてとてもほほえましいもの。そこは温かく見守ってあげてほしい、というのが母親の本音です。

子どもらしさっていったい何?

小学生のオシャレに反対する人は「子どもらしくないから」と言います。では、「子どもらしさ」とはいったいどんなものなのでしょう。

不朽の名作、「赤毛のアン」のアンでさえ、当時流行の「ふくらんだ袖」に憧れたり、髪の色を変えようと染料に手を出したりしています。ということは、オシャレに興味を持ち、大人のメイクやファッションに憧れる行為はじゅうぶんに「子どもらしい」と言えるのではないでしょうか?

大切なのは親がしっかりと「線引き」すること。オシャレに興味を持つことは、決して悪ではないと思うのです。