幼い子でも自分の親の異常事態を目にしたら、なんとかしたいと思う気持ちが働くようだ。イギリスの3歳の男児は父親が発作を起こした後、おもちゃの消防車にまたがって誰かに助けを求めるために外へ飛び出した。『Mirror』『New York Post』などが伝えている。

リンカンシャー州ウスケステン地区にあるトウェンティという集落に暮らす3歳のステファン・スノーデン君(Stefan Snowden)は父親マークさん(Marc、28)と一緒に、数分ほど自宅を空けた母親の帰りを待っていた。しかしマークさんは突然、てんかん発作を起こして意識を失ってしまった。

幼いステファン君はこの時、思わぬ行動に出た。玄関のドアを開ける方法を知っていたステファン君は外に出て、いつも遊んでいたおもちゃの消防車にまたがった。そして農道に出て300ヤード(約274メートル)ほど進み、車が頻繁に通る主要道路に出てしまったのだ。

その道路でおもちゃの消防車を足で漕いでいるステファン君は非常に危険な状態だったが、ステファン君の後ろには何台かの車が彼のスピードに合わせてゆっくりと運転していた。そのうち近所に住む女性がこの様子を見て、ステファン君のもとに駆け寄って保護すると警察に連絡を入れた。

また同じく近所に住む別の女性も駆けつけ、警察官が来るまでステファン君を自宅に招き入れ、両親のことなどを聞きながら温かくもてなしたようだ。

この時の様子を目撃した人によると「この子の後ろには3~4台の車が連なっていましたが、おもちゃの車を運転する彼の姿が見えなかったドライバーは、車線を超えてこの子を追い抜いて走り去っていきました。それから女性がこの子を救うためにバンを路上に停め、反対車線側から彼がいる車線へと渡って行ったのです。彼女はとても勇敢でした」と語っている。

女性の連絡によって警察官が対応することになったが、この時ステファン君は「パパの具合がよくないんだ」と訴えたそうだ。のちに両親と連絡がとれたが、この時マークさんは意識を取り戻していたという。母親のカーラ・ニーヴさん(Carla Neve、25)は、ステファン君について次のように話している。

「父親のマークは発作が起きると意識を失うんです。ステファンは玄関のドアを開ける方法を知っていて、そのままおもちゃの消防車を取りに行ったのでしょう。彼はこの小さな足で消防車を漕いで、パトロールするのが好きなんです。ステファンは明らかに父親を救おうとしたんだと思います。」

幼い息子の行動を褒め称えたカーラさんだが、今回対応したリンクス警察のレイチェル・ブラックウェル警部(Rachel Blackwell)は「男児が事故などの悲劇に見舞われる前に、速やかに行動して彼を保護した女性に称賛を贈りたいと思います。彼女の行動なしで男児の事故を防ぐことはあり得ませんでした」と、ステファン君が危険な状況下だったことを強調している。

画像は『The Sun 2019年12月18日付「PAWLY PATROL Heroic boy, 3, rides toy car along busy road to get help for dad after he has seizure」(Credit: John Aron)」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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