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  • 約22億年前に衝突した隕石が、地球全体が凍る「スノーボールアース」の時代を終わらせた可能性
  • 衝突の衝撃により、膨大な量の水蒸気と温室効果ガスが放出され、温暖化を急速に促進したと推測される

かつて地球には、全球が凍結するほどの氷河時代がありました。これを「スノーボール仮説」と呼びます。

その最も大きなものが、原生代に起きたとされる「ヒューロニアン氷期(24億5000万年〜22億年前)」です。

一方で、地球全体が凍結してしまうと、太陽光さえも反射してしまうため、これまで何がスノーボールアースを終わらせたのか、よく分かっていませんでした。

ところが今回、オーストラリア・カーティン大学の研究により、およそ22億年前に地球に衝突した隕石が原因だった可能性が示唆されています。

研究の詳細は、1月21日付けで「Nature Communications」に掲載されました。

もし隕石が衝突していなければ?

問題の隕石は、オーストラリア西部のイルガーン・クラトンに位置しており、その衝突跡は「Yarrabubbaクレーター」と呼ばれています。

クレーターの深部コアから採取した鉱物サンプルを分析した結果、隕石が衝突した年代は、約22億2900万年前であることが判明しました。これは、地球年齢の約半分の時期に衝突したことを示しており、これまで地球最古とされた「フレデフォート・ドーム(約20億年前)」の記録を更新しています。

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さらに、Yarrabubba隕石の衝突時期は、ヒューロニアン氷期の終焉と一致しており、研究チームは「単なる偶然ではない」と指摘します。

根拠は2つです。

1つは、隕石のサイズであり、クレーターの幅が約70km近くあることを考えると、衝突の衝撃により、地球大気に膨大な水蒸気と温室効果ガスを放出したと予測できます。それが一部地域に急速な温暖化を引き起こし、スノーボールに風穴を開けたのでしょう。

もう1つは、隕石衝突後の4億年間の氷河堆積物が存在していないからです。これは、隕石がきっかけとなって、ヒューロニアン氷期が終わったことを示す大きな証拠となります。

この仮説を断定するのは時期尚早ですが、もし隕石が衝突していなければ、地球は依然として凍ったままだった可能性もあり得るのです。

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22億年前に地球のスノーボールアース時代を終わらせたのは隕石だった可能性