日本では認められていない代理母出産だが、欧米では不妊症を抱えている夫婦や同性愛者のために多くの女性が代理母出産を行っている。このほどアメリカに住む女性が、近所に住む夫婦のために代理母として出産に臨んだものの、自分の家族を残したまま出産時に亡くなってしまった。『New York Post』『fox8.com』などが伝えている。

カリフォルニア州サンディエゴに住むクリスリーヴスさん(Chris Reaves、33)と妻のミシェルさん(Michelle)は子供2人をもうけ、幸せな生活を送っていた。ミシェルさんは周りから愛情深いと評判の人柄だったようで、そんな彼女が他人のために役に立ちたいと代理母を引き受けるという行動は自然の流れのようにも見えた。

ミシェルさんは2人の実子であるゲイジ君とモンローちゃんを出産した後、地元に住む夫婦のために代理母出産を買って出たのだ。ミシェルさんは既に、この夫婦のために1人目を代理母出産しており、続けて2人目の子供の代理母も引き受けていた。

しかし誰もが、出産の幸せな瞬間が深い絶望に変わるとは思いもしなかった。今月15日の午前中にミシェルさんの母体から元気な赤ちゃんが生まれたが、ミシェルさん本人は出産中に合併症を起こし、まだ幼いゲイジ君とモンローちゃん、そして愛する夫クリスさんを残して帰らぬ人となってしまったのだ。

クリスさんの悲しみは計り知れないが、まだ母親の温もりが恋しい2人の子供にとっても寂しい思いをする日々が待っていた。悲しみに暮れる父子のために、友人がミシェルさんの葬儀費用を賄うための募金を『GoFundMe』で呼びかけた。すると寄付をした人達のメッセージ欄には代理母と代理母出産により子供を得た人達の言葉が次のように寄せられた。

「私は双子の代理母出産をしているが、彼女の死に胸が張り裂ける思いだ。」
「私には息子がいます。私達夫婦は代理母のおかげで素晴らしい家族という贈り物を受け取りました。しかし同じように代理母をしていた彼女が亡くなったことを思うと涙が止まりません。」
「代理母は子供を授かることができない誰かの夢を叶えるため、死のリスクを受け入れているのです。この女性の愛情の深さは言葉では言い表せません。安らかに眠ってください。」

現在『GoFundMe』には67289ドル(約740万円)の募金が集まっており、いまだに多くの人から亡くなったミシェルさんに対してお悔やみのメッセージが届いている。

画像は『New York Post 2020年1月17日付「California mom-of-two tragically dies during surrogacy birth」(GoFundMe)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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