バーチャルアイドル(VTuberアイドル)のパイオニアの一人、ときのそらの所属先として2017年から活動開始。その後も数々の人気VTuberを輩出してきたVTuberグループのホロライブが初めての全体イベント、「hololive 1st fes.『ノンストップ・ストーリー』」1月24日(金)に豊洲PITで開催。23人のバーチャルアイドルたちが2時間超の音楽ライブで、新曲も含む30曲以上を披露する。

エキレビ!では、明るく元気なムードメーカーの夏色まつりと、魔界学校の保険医で大人の魅力を漂わせる癒月ちょこおっとりした性格だが筋力自慢な女騎士団長の白銀ノエルによる鼎談を実施。この前編では、飛躍的な成長を続けるホロライブの印象の変化や、初めての大規模ライブ開催決定時の感想などを語ってもらった。

まつり様が本当に清楚なのかどうかは、皆さんご自身で確かめて
──せっかくの鼎談なので自己紹介ではなく、他己紹介をしていただきたいと思います。最初に、ホロライブ2期生の癒月ちょこさんと3期生の白銀ノエルさんから、1期生の夏色まつりさんを紹介してください。

ちょこ まつり様は、すごく元気で明るいチアガール。自分では「ホロライブの清楚担当」と言ってますが、本当に清楚なのかどうかは……。皆さんご自身で、まつり様の配信を観て確かめてもらいたいですね(笑)。

まつり あはは(笑)。

ちょこ ノエル様は?

ノエル 普段の配信では、いつも面白いキャラというか、とにかくみんなのことを笑顔にしてくれる方なんですけれど。団長は、ちょっと配信の裏の話をしちゃいますね。まつり先輩は、配信外でも本当に行動力の塊だなって、すごく思うんです。私は、一日一日、目の前のことをやっていくのに必死な感じなんですけれど、まつり先輩は、自分がこの先やりたいことを考えては、どんどん公言して実現していくタイプ。今(1月28日まで)、(大丸梅田のホロライブポップアップショップで)販売されている絵馬も、まつり先輩の発案で開発されたグッズなんですよ。すごく頼りになる先輩ですし、たぶん、ホロライブ内で一番行動力があるんじゃないかなって思っています。

──まつりさん発案の絵馬は、ユニークな絵柄でネットでも話題になりました。まつりさんは、やりたいと思ったことは、意識して積極的に口にしているのですか?

まつり はい。もしできなかったとしても、言うだけならタダみたいに思っているので。やりたいことはとりあえず口に出して、その中の一個でも何かができたら嬉しいな、みたいな感じで考えています。絵馬も(運営に)アイデアを伝えたら、すぐに「分かりました。じゃあ、準備を進めますね」と言ってもらえて、すんなり通りました。基本的に運営さんは、メンバー自身がやりたいことをやった上で、ファンのみんなに楽しんでもらえることが大事という考えなので。安全なことであれば、基本、前向きに考えてもらえます。

ちょこ先生は、配信外でも、常に相手に気配りできる大人の女性
──次はちょこさんについて、まつりさんとノエルさんから紹介をお願いします。

まつり ちょこ先生は、一見、大人っぽくてセクシーに見えるけど、実は、誰よりも可愛らしい女の子って印象があるんです。ASMR(心地良い声や音を聴かせる配信)とかでは、すごいドキドキさせてくれるけれど、(人気ゲームの)『Minecraft』とか、自分があまりやったこと無いことものに触れたりした時は、急に「え〜ちょこ、分かんない〜」みたいになるから「可愛いなー」って。なんでもしてあげたくなっちゃう感じの可愛さが出てくるから、ギャップに萌えます。普段は、センシティブですけれど。

ちょこ ちょこは、ノーセンシティブ!

ノエル ちょこ先生はギャップも可愛いんですけれど、やっぱり大人の女性って感じがします。まつり先輩が言ったみたいに、配信での少しセンシティブな大人の魅力もあるんですけれど、配信外でも常に相手に気配りできるところは、大人の女性ならではだし、思いやりの塊だなって思います。団長は、ちょこ先生の;「身体測定」という企画が大好きなんですよ。

──保険医であるちょこさんが、ホロライブや外部のVTuberをゲストに招いて、ゲストの配信内容や魅力などを紹介していく企画ですね。

ノエル あの企画は、相手に気配りができて、コミュ力も強いちょこ先生だからこそできる企画。団長はコミュ力が無いし、いつも、すごいなって思っています。

ちょこ 個人的に、新しい方とどんどん知り合える企画がすごく楽しいんです。それに、ちょこは、外部の箱(グループ)の方とコラボして、ホロライブを知ってもらうことも大事かなと思っていて。少し前までホロライブの子って、内部でのコラボは活発だけれど、外部とのコラボはあまりやってない印象があったので。私を通じてというか、大人数のコラボとかでも外部のVTuberさんと少しずつ関わって、ホロライブをもっともっと広げられたらな、という気持ちはずっとありました。

──ちょこさんは、知らない相手に声をかけて仲良くなること自体も好きなのですか? それとも、最初は勇気を出して声をかけているのですか?

ちょこ 無理をしている感覚は無いですね。(VTuberは)皆さん魅力的で美味しそうなので、ぜひお味見したいな、と思って声をかけてます(笑)。

まつり やっぱりセンシティブじゃん(笑)。

ノエルの配信は、癒し系を好きな人も、面白い配信が好きな人も楽しめる
──次は、ノエルさんについて、まつりさんと、ちょこさんからご紹介をお願いします。

まつり ノエルはすごいなって、まつりは思ってる。

ノエル え? え?

まつり 本当にみんなに好かれる子だなって。まつりみたいなタイプは、好き嫌いがハッキリしちゃうと思うんですけれど。ノエルは、癒し系でほわっとしたイメージがあるけれど、脳筋でもあるから(笑)。癒し系を好きな人が見ても癒されるし、面白い配信を好きな人が観ても楽しめる。配信のクオリティも高いから、いちリスナーとして観ても面白いなって思っています。

ノエル 団長、照れる……(笑)。

ちょこ ノエル様は母性がすごいんです。私もバブバブしたくなるもん(笑)。包容力があって気づかいもしてくれるから、喋っていてもすごく落ち着くんですよね。ちょっとこっちがくじけていると、すぐにフォローを入れてくれたりもします。あとは、まつり様も言ってるように、普段はほんわかしてるのに、急に変なことをやり出したりするギャップも良いですよね。

──ノエルさん自身は、配信での「癒し」と「面白さ」のバランスは、どのように意識しているのですか?

ノエル ホロライブに入る前から、先輩方の配信をいちリスナーとして観ていたので、最初の頃は「私も先輩方のように、リスナーさんを楽しくさせられる配信をしなきゃ!」と意識していました。でも最近は、まずは自分が楽しむことが一番大事だと思うようになったんです。今、(アクションRPGの)「DARK SOULS」というゲームにはまっていてるのですが、団長、ホロライブに入る前はスーパーファミコンのゲームくらいしかやったことがなくて、ゲームはすごく下手なんです。だから、配信で「DARK SOULS」をやっても死にまくるんですよ。

──元々、「DARK SOULS」は難易度が非常に高いことでも有名で、何度も死にながら少しずつ上達していく「死にゲー」と呼ばれるタイプのゲームですからね。

ノエル 最初はあまりにも下手すぎて、観ている人もイライラするんじゃないかなと思っていたのですが、「団長が楽しんでいるから、観ていて楽しい」と言ってくれる人が多くて。「癒し」とかについては自分では分からないけれど、とにかく、まずは自分が楽しむことを一番に考えるようになりました。

ホロライブは、メンバー同士の絆もさらに深まっている
──豊洲PITで単独ライブが開催できるほど規模も人気も拡大したホロライブですが、ご自身が参加された当時と現在で、特に変わったことや、逆に変わらないことなどを教えて下さい。

まつり やっぱり、ファンの人が増えたことが一番ですね。(2018年の6月に)まつりがデビューした時は、初配信を観に来て下さる方がだいたい1200人くらいだったんですよ。でも、(2019年12月〜2020年1月にデビューした)4期生の初配信では、1万5000〜6000人くらいの人が観に来てくれていて。その数字を見ても、ホロライブがいろいろな人に知っていただけて、箱としての人気が出てきたことをすごく感じます。逆に、ずっと変わらないのはメンバー同士の仲の良さですね。というか、メンバー同士だけじゃなく、運営さんとメンバーもすごく仲が良いんです。

──2018年9月に2期生としてデビューしたちょこさんは、どのように感じますか?

ちょこ まつり様と同じで、変わったことは、ホロライブ単独の大きなライブができるくらいファンの方が増えて(事務所も)大きくなったことです。あと、メンバー同士の絆もさらに深まっていると感じていて。以前は、ホロライブ全体でのコラボとかは無かったんですね。でも、この年末年始は、ほぼ全員が(同じスタジオに)集まって、年越し配信お正月カラオケ配信をやったんです。そういった企画が最近は増えてきたし、以前から仲は良かったですが、(ネットを介さない)オフコラボなどを通して、さらに絆が強くなってきた印象もあります。

──3期生のノエルさんは、2019年8月にデビューしてまだ約5か月ですが、加入する前と現在とで、ホロライブの印象に変化があれば教えてください。

ノエル 団長は、一昨年の10月頃からずっとホロライブを観てきたんです。だから、まだホロライブのメンバー歴より、リスナー歴の方が長いんですよ。最初、ホロライブを見るようになったきっかけは、みんなが仲良くて、とにかく楽しそうだったからなんですね。さっきも言いましたが、やっぱり楽しくしている人の配信を観るのは楽しいので。しかも、みんな可愛いだけじゃなく、すごく個性豊かで。まつり先輩とか、私は言えないような、すごい発言もするし(笑)。

ちょこ うんうん。

まつり 今、「すごい」ってオブラートに包んだね(笑)。

ノエル あはは(笑)。入る前から、皆さんが憧れの存在だったので、3期生として入ってからも最初はすごく緊張して。自分から先輩たちと絡むことはあまりできなかったんです。先輩方と一緒に話す機会が増えてきても、皆さん、可愛くて面白いというイメージは全然変わってないけれど、リスナーの頃には知らなかった、先輩方の配信に対する熱い思いなどを知ることができて。皆さん、楽しんで配信していることも事実なんですけれど、すごく深くリスナーさんのことを考えているんだなと分かり、もっと大好きになりました。

──まつりさんとちょこさんは、後輩が加入する際、特に意識していることはありますか?

まつり ホロライブはみんな仲が良いからこそ、新しいメンバーの子にも入りづらいとは思って欲しくないので。まつりがいつもやっているのは、誰よりも早く声をかけちゃう、ということですね。新人の子みんなに、「●●ちゃん、これから、よろしくね!」ってDMを個人的に送っています。

ノエル たしかに、最初にまつり先輩からDMが来ました!

ちょこ 私は、一緒に話したり何かの企画をしたりすれば、お互いをよく知れるかなと思っていて。3期生とのコラボが解禁されたら、すぐに「身体測定」の企画に誘いました。

ノエル 私も3期生の他の4人も、みんな「身体測定」に呼んでいただきました。

ライブが決まった時は、嬉し泣きしながら、お母さんに電話で報告
──1月24日(金)にはホロライブ初の全体ライブ「hololive 1st fes.『ノンストップ・ストーリー』」が開催されます。開催を知った時の率直な感想を教えてください。

まつり デビュー当時は、ライブができるなんて夢にも思っていませんでした。でも、歌は好きだし、ライブとかイベントはいつかやりたいことだったので、本当に嬉しくて……泣きました。

ちょこ 可愛い。

まつり 嬉し泣きしながら、お母さんに電話で報告しました。ただ、会場の豊洲PITには、以前、ライブを観に行ったことがあって。あの大きな会場で、自分たちがライブをするのかと思うと少しだけ不安も感じたので、ライブに向けて、もっと頑張らなきゃと思いました。

ちょこ デビュー当初から、(1期生の夜空)メル様たちと一緒に運営さんに「ライブがやりたいです!」とお願いしていたんです。そうしたら、本当に実現することになったので驚きました。私、歌は苦手なんですけれど、皆さんに少しでも楽しんで欲しいなと思って、今頑張って練習しています!

ノエル ちょうどデビューした時期に、先輩方の初めての全体曲「SSS」(「Shiny Smily Story」)が発表されて。「すごいな、先輩たちってアイドルなんだ!」と思ったし、歌は苦手だけれど、団長もいつかこういうアイドルみたいなことができたら良いなと思っていたんです。そうしたら、本当にライブができるよと知らされて驚きました。でも、こんなに大きなライブが開けるのは、先輩たちがホロライブという箱を大きなものに築き上げて来られたからこそなので。それに出させてもらうからには、団長も、もっともっと頑張って。先輩と肩を並べてライブができるくらいにならなきゃだめだなって、改めて身が引き締まりました。

後編へ続く

(取材・文/丸本大輔)

【配信情報】
hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー」
開場:01/24(金) 18:00
開演:01/24(金) 18:30
ネットチケット価格:8000 ニコニコポイント
ネットチケット購入ページ:
https://secure.live.nicovideo.jp/event/nonstop_hololive
タイムシフトについて」
生放送終了直後からタイムシフト視聴可能となり、2020/02/10(月) 23:59まで視聴可能。
視聴期限まで何度でも視聴できます。
2020/02/10(月) 23:59を過ぎると、タイムシフト視聴中でも視聴できなくなります。

【出演者】
ときのそらロボ子さんさくらみこ星街すいせい

ホロライブ1期生:夜空メルアキ・ローゼンタール赤井はあと白上フブキ夏色まつり

ホロライブ2期生:湊あくあ紫咲シオン百鬼あやめ癒月ちょこ大空スバル

ホロライブゲーマーズ白上フブキ(1期生と兼任)、大神ミオ猫又おかゆ戌神ころね

ホロライブ3期生:兎田ぺこら潤羽るしあ不知火フレア白銀ノエル宝鐘マリン

・イノナカミュージック:AZKi

新規アイドル衣装の出演メンバー全員が並んだ「hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー」のメインビジュアル。ライブでは、全員がこの衣装を着た3Dモデルでステージに登場する