1975年に天児牛大によって創設され、世界各国で公演を行っている舞踏カンパニー、山海塾。特にフランスでの評価は高く、1982年以降の作品はすべて、コンテンポラリーダンスの殿堂と言われるパリ市立劇場との共同制作となっている。1999年よりその共同制作に加わり、数々の作品を日本初演してきたびわ湖ホールが、1月25日(土)に『ARC 薄明・薄暮』を上演する。前作から4年を経て昨年3月に北九州芸術劇場で初演されたばかりの最新作で、関西では初上演となる。

過去にたびたび山海塾の舞台美術を手がけ、2016年に逝去した画家、中西夏之へのオマージュでもあるという本作。演出・振付・デザインの天児が中西の「着陸と着氷」シリーズから着想を得て、「二重の舞台、ふたつの鏡、ふたつの弧から成る“3つのダブル”の世界」を構築する。福岡での初演後、既にパリとサンパウロで上演され、「荘厳で静謐なこの舞踊は、初めて山海塾を見る人々をもとりこにするに違いない」(フィリップ・ノワゼット/仏レゼコー紙)と評された『ARC 薄明・薄暮』。舞踏ファンならずとも要注目と言えそうだ。

山海塾『ARC 薄明・薄暮』は、1月25日(土)に滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール 中ホールにて上演。

文:町田麻子

山海塾『ARC 薄明・薄暮』