建て替えに伴い3年半休業していた東京・渋谷のPARCO劇場が、いよいよ再オープン。演劇ファンの熱い期待に応えるように、今年3月から来年5月までは“オープニングシリーズ”と銘打った豪華ラインナップが続く。それに先駆けての幕開け公演“こけら落とし”として、まず上演されるのが、落語家立川志の輔による『志の輔らくご〜PARCO劇場こけら落とし〜』だ。同劇場での1月公演といえば、『志の輔らくご in PARCO』が毎年の恒例。今回も人気演目『メルシーひな祭り』と『こけら落とし噺』の2席で、1月24日(金)、華やかに再開場の幕を開ける。

『メルシーひな祭り』の舞台は、成田空港からほど近い商店街。人形師の島森が作るひな人形を見に、フランス特使夫人とその娘が、外務省の役人・武田を伴ってやってくる。ところが島森はひな人形の頭専門の人形師。大慌ての武田をみかねた商店街の人々は、フランスからの“お客様”に日本のひな飾りを見せてやろうと奮闘するが……。

日本人だってめったに来ない」と自分たちでボヤくほど寂れた商店街で、それでも頭を寄せ合い協力する魚屋や薬屋、仏具屋のオヤジたち。バリバリの役人・武田とのコントラストに笑っているうちに、意外な結末へとたどり着く。終演後、どこか温かい気持ちになるのも、志の輔らくごの魅力だ。

PARCO劇場での公演では、新作落語を創作するなかで、舞台装置や照明などの演劇的手法も取り入れてきた志の輔。座席数が458席から636席に増え、舞台空間も拡張されたという同劇場で、『メルシーひな祭り』も新しい表情を見せるに違いない。もちろん、このタイミングで聞く『こけら落とし噺』も期待大。志の輔師匠の世界をたっぷりと味わいたい。

2月20日(木)まで。

文:佐藤さくら

立川志の輔