一部「開き直る」ような声も

「育休取得男性の3割が『とるだけ育休』」というニュースがネット上で注目を集めました。ママ向けアプリサービスを展開するコネヒトが1月12日に発表した調査結果で、夫が育休取得した508人の妻の回答をもとにしています。育休を取得した男性の1日あたりの家事・育児時間は、2時間以下が32.3%と約3割が「とるだけ育休」といった実態を伝えていました。

自由記述には「4日しかない育休を自分の都合で日にちを勝手に決めて、その内何日かは自分が遊びに行くことに使った」という声もあり、これをNHK WEBニュース等が伝えると、様々なコミュニティサイトでスレッドが立ち物議を醸しました。(文:篠原みつき)

「そりゃそうだ。パチンコ行ってた方が楽だし」と突き放した態度の声も

男性ユーザーが多い5ちゃんねるでは、「夫はだらだらしていて家のことは結局自分がやっていた」などの妻の声が注目を集め、開き直るようなネガティブな反応が多く上がっています。

「そりゃそうだ。パチンコ行ってた方が楽だし」
「手伝っても謎ルールで怒るし」
「自分の仕事なのに手伝うっておかしいやろ」

など、どこか突き放した他人事の姿勢が目立ちます。

「こんなケースだと(中略)嫁さん夏休みの間の母ちゃんみたいな状態じゃないかw」と、大変さに理解を示す人もいますが、自分はやらなくていいという甘えも垣間見えます。「育児やらないなら周りに負担強いてまで育休とるなっつーの」という声は、育休で同僚が抜けて疲弊している独身者でしょうか。

女性専用コミュニティサイトの「ガールズちゃんねる」では、

「ほとんどの男がそうでしょ。家にいたってなんの役にも立たない。育休いらないから、お祝い金くれたらいいよ」
「言われなくてもそうだろうなと思ってた。定時で帰ってくるとかで十分だよ」

などのあきらめ、呆れ声が相次ぎました。「うちもだよ~。2週間取ったがほぼ毎日趣味に出掛けてた。もちろん家事も育児も私。キレたら上の子の為にも外に出てるって逆ギレされた」などの経験談を明かす人たちも。

中には、「うちの旦那は退院後1週間休み取ってくれたけど、かなり助かったよ」という声も複数あり、「休みがあっても無くてもやる人はやる、やらない人はやらない」という指摘が上がっています。

「授乳前後の準備も後片付けも全部やってた」という声も

一方で、はてなブックマークでは300近くコメントが付き、あきらめや揶揄よりも、「何でやらないの?こんなに大変でやること山のようにあるよ?」と育児仕事を詳細にあげる経験者が多い傾向でした。筆者は妻の立場なので、

「嫁に少しでも睡眠を取ってもらいたくて授乳前後の準備も後片付けも全部やってたしそういうもんでは。いちばんに愛してる嫁のためですよ。遊びに行ける神経すごいな」

という人の声にほっとします。出産直後は心身ともにボロボロなので、お風呂に入れてくれるだけでもありがたかったものです。夫がその時期どう協力してくれたか妻は忘れないもので、後々の夫婦関係にも大きく影響します。

また、「育休がサボりとみなされる風評被害」という声もあるように、企業から「『取るだけ育休』になるなら育休なんてやらなくていい」という口実に使われてはたまりません。「できていない3割」がいる一方で、「できている7割」がいることに目を向けるほうが建設的です。

調査元も、育休の質を高める法則として、「(家事を)量的に担当する」「精神的に支える」「主体的な姿勢で取り組む」「休息をとらせる」など7つを薦め、夫婦関係を良くする方向へ導こうとしています。取れる人が少ない中でせっかく取れた育休なら、「親として一緒に子どもに向き合う機会」と捉えて、お互いの面倒くささも何とか乗り越えてほしいものです。