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遺伝子疾患による早老症で皮膚がたるみ、老けた顔ゆえいじめを受けてきた中国在住の15歳少女が、多くの人の善意によって顔の形成手術を受け、新しい人生を手に入れた。少女が“奇跡”と語るニュースを『Mirror Online』『The Sun』などが伝えている。

遼寧省錦州市黒山県に住むシャオ・フェンさん(仮名)は、先天的な遺伝子異常を原因とする早老症「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(通称プロジェリア、HGPS)」を患っており、15歳でありながら60代の女性のような顔を持っていた。皮膚がたるみ皺が増え始めたのはまだ1歳の頃で、シャオさんは物心ついた頃からいじめに遭ってきた。

農業で生計を立てている父親のワンさんは、シャオさんについてこう語っている。

「1歳頃から症状が出始めたシャオは、小学校になると児童の親と間違えられほど症状が悪化してしまいました。学校ではいじめられて友人もおらず、ハトと遊んでいたくらいです。そんなシャオですから、セルフィーを撮ったことさえありません。中学を卒業してからはクラスメートに自分の顔を晒すのが怖いと言って、学校に行くことさえ止めてしまったのです。」

両親の心配をよそに家に籠り始めたシャオさんだったが、15歳になったのを機にある行動を起こした。中国で社会貢献活動に従事するフィランソロピストの郭明义さん(Guo Mingyi、61)に、藁にもすがる思いで手紙をしたためたのだ。

「私の夢はきれいになること。陰口をたたかれることなく、普通の生活を送りたい。」

そんなシャオさんの思いの丈を綴った手紙に心動かされた郭さんは、なんとか力になろうと瀋陽市にある杏林整形外科医院と交渉を開始した。そして手術費用56000ポンド(約805万円)の70%を免除してもらうと、残りの30%は自らが運営する民間団体のクラウドファンディングサイトやマラソンチャリティイベントなどを通して寄付金を集めた。

こうして昨年12月29日、7時間半をかけてシャオさんの顔の形成手術が行われ、たるんだ皮膚が切除されると鼻や唇、眉毛の形が整えられた。病院は今月20日に会見を行っており、シャオさんは手術後の顔を初めてメディアに披露すると「新しい人生を与えてくれた病院のスタッフ、郭さん、協力して下さった皆さんに感謝します。早く学校に戻って、将来は医師か看護師として働きたいと思っています」と述べた。

なお病院側はシャオさんが今後の治療や教育に専念できるように手術費用の全額を負担すること、同じ疾患を持つシャオさんの母親の手術についても検討中であることを会見で明かしており、学業においては遼寧医学院高等職業技術学院がサポートを申し出ているという。

新しいスタートを切ったシャオさんだが、医師は「シャオさんの症状は皮膚だけで内臓の老化は見られませんが、新しい顔がもつのは5~10年で、その後再手術が必要になるでしょう」と語っており、今後も継続したケアが必要ということだ。

画像は『The Sun 2020年1月21日付「TURNING BACK TIME Girl, 15, with rare condition that left her looking older than she was gets a ‘new face’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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