歌手、声優、イラストレーターと、さまざまな顔を持つ中川翔子。昨年は約5年ぶりとなるニューアルバム『RGB 〜True Color〜』のリリース、自身の経験をもとに執筆した著書「『死ぬんじゃねーぞ!!』いじめられている君はゼッタイ悪くない」の出版など、例年に増してアクティブな1年だったことは間違いない。

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2020年、あふれんばかりの夢と希望に満ち、輝きを増す中川に、2019年振り返りながらいま、思うことを聞いた。前編は、約5年ぶりのアルバムリリース、そして大好きな歌について。

■ 蒔いていた種が実ってくれた1年。アルバムリリースまでの5年間

――昨年は約5年ぶりのアルバムリリースなど、アクティブに過ごされていた印象です。

そうですね。濃かったし、あっという間だったけれど、今までやってきたことは意味があったんだなと、これまでの人生で一番『あぁ、生きてて良かった』なんて思えた年でした。もちろん大変なこともあったけど、嬉しさがそれを上書きしてくれた1年でしたね。

――なかでも大きかった出来事は?

アルバム『RGB 〜True Color〜』のリリースは大きかったですね。ずっと歌いたかったけれど、しばらく歌から遠ざかっていて、シングルは3年半、アルバムは約5年ぶりのリリースでした。その5年間も諦めたくなくて、コンサートのほかにもディナーショーミュージカルへの挑戦と、諦めずにいろんなことをやっていました。やっぱり、リリースできないのはすごく不安でした。

――リリース後の反応はどうでしたか?

久しぶりだったし、イベントに『誰も来なかったらどうしよう』という恐怖から始まったんですが、子供たちがたくさん来てくれたんですよ。イベント開始前から『タイプ:ワイルド』を大合唱してくれたり。みんな覚えて歌っちゃうくらい何回も聴いてくれていたんだと思います。「子供たちに笑顔を届けたい」という夢が叶っているんだと、喜びを噛み締めながら控室のカーテンの隙間からのぞいていました(笑)。そういう場面にたくさん遭遇した1年だったので、多少の大変なことは、子供たちのピュアな光で消し飛びましたね。

■ 「子供たちに笑顔を届けたい」という夢。大人になってからの大きな心境変化

――子供たちをはじめ、ファンと交流する機会も多かった?

はい。親子で来てくれる方がすごく増えていて感激しました。昔からイベントに来てくれていた方同士で結婚したご夫婦も、何十組といるんですよ! ちゃんとそれぞれの人生があって、環境も変わったり大変だけど『久しぶり!』って再会した感覚でしたね。はじめましての方にも『小学生のころからポケットモンスターの番組を見ていて、いま自分のお金でイベントに参加できています』、言っていただいたり。もう、うわぁ〜って。生きていてよかったなって、すごく思いました。

――それは嬉しいですね。

20代後半くらいから「子供たちに歌や言葉で、夢や思い出を届けたい」というという夢が自分の中に出来てきてたので、楽しかった記憶の中に彩りを添えられたかな、と実感できて嬉しかったですね。でも大人になるまでは「アニメの歌を歌いたい、これに出てみたい」とか、自分の夢を追いかけていたから、正確には「そんな夢に変わった」かな。去年は本当に、蒔いていた種が実っていてくれた1年でした。

■ 愛するアルバム曲たちについて

――その種はいつごろから?

中学生くらいかなぁ。こうしていろんな経験を重ねるうちに、歌詞に人生がついてきて。大人になった方が歌いやすくなる曲っていっぱいあるとも感じましたね。

――特に感じた曲はありますか?

2008年リリースした曲で松本隆さん作詞、筒美(つつみ)京平さん作曲の『綺麗ア・ラ・モード』という曲があるんですが、当時筒美さんが『歌い重ねていったら、もっともっと気持ちよく歌えるようになるよ』って仰ってくださって。松本さんも『歌は宝石だから、大切に歌い続けてね』と。その通りというか、当時よりいまの方が歌詞の意味や幸せとか、愛を吸い込みながら歌えているなと感じます。

――それぞれの曲に、中川さんのいろんな思いが込められているなと感じます。

そうですね。『ドリドリ』もやっと入れられたし、アニメポケットモンスター サン&ムーン』のエンディングテーマタイプ:ワイルド』など、子供たちが親しめる曲もあったりして。そしてアルバム製作中に父が描いた歌詞や絵がたくさん出てきたから、そのダンボール何箱ぶんもあった歌詞を繋いで『作詞:中川勝彦中川翔子』って並んだ新曲ができたのもすごく嬉しかったです。

――『ある日どこかで』ですね。

それもたまたま昨年の夏に出てきたので、運命的でしたね。2、3年前にアルバムリリースが叶っていたらこの曲はできていなかったと思うと、『ある日どこかで』に出会えただけでも、5年待った意味がありました。

歌って見えないけど、ずっと残るんですよね。永遠に残る魔法みたいなもので。ドラクエの魔法もかしこさが上がると威力を増していくように、聴いてもらったり、自分自身も経験値を積んでいくから育つんだなと感じます。だからこそ今回アルバムリリースできて、『ある日どこかで』という曲も生まれて、本当に良かったです。

――聴きながら、強い思いと温かさを感じました。

『ある日どこかで』は天国からの愛のメッセージを伝える曲です。きっと魂は消えないんですよね。触れられないけれど心は死んでいなくて、一緒にいるって思える瞬間がたくさんある。私もいつか自分が死んでも、子孫に『ずっとずっと大好きだよ』っていうのは届けたいし、大切に歌い重ねたいですね。(ザテレビジョン

中川翔子