名実ともにECサイトの一番手となったのが、グローバル企業「GAFA」の一角を占めるAmazonだ。これをまったく使ったことがない人というのは少数派なはずで、今日の我々の日常生活は、少なくない部分でこのサイトに依存している。

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 Amazonが革命を巻き起こしたのは、その無限とも思える品揃えのためだ。したがって、Amazonでしか買えない商品というのも多い。特にPCやスマートフォンのサプライに関しては、家電量販店秋葉原でも手に入らないようなニッチな商品も売られていて、多くのユーザーにとって欠かせない存在になっている。

 無名メーカーの品について、活発な議論が交わされているのもAmazonの魅力だった。商品ごとの「Amazonレビュー」には長らく、実際の使用感などが忌憚なく書き込まれており、商品選びの際に参考になっていた。

 しかし近年では、メーカーや業者による「やらせレビュー」もあるようで、新発売の商品ほどその良し悪しを見抜きにくくなっている。そこで今回は、Amazonに登録されているマイナー商品の「怪しさ」を見抜く方法をいくつか紹介していきたい。

「マーケットプレイス」には怪しい業者も

 有名メーカーの日用品など、Amazonが直接発送する商品を買う場合、特に問題は生じないはずだ。問題になるのは、Amazon内に店舗を構える「マーケットプレイス」から購入する場合である。

 Amazonキーワード検索すると、マーケットプレイスの出品する商品も同時にヒットする。この違いを特に意識していない人もいるかと思うが、購入する前にチェックする癖を付けておきたい。

「今すぐ買う」の下に「この商品は~~が販売、発送します」と表記されていたら、それはAmazon本体ではなく、マーケットプレイスから届く商品となる。マーケットプレイスからの買い物でも手順は変わらないが、商品の梱包・発送作業をするのはAmazonの従業員ではなく、別の業者となる。必然的に住所氏名などの情報もその業者と共有される。

Amazonに登録する商品名のルール

 マイナー商品(事実上のノーブランド品)では、マーケットプレイスが「商品登録」を行っているケースが少なくない。ユーザーが多いAmazonのみでの販売を意図し、製品のメーカー自体がマーケットプレイスを開設していることもある。この場合、Amazonで表示される商品名などの各種情報は、すべて販売者が設定することになる。

 商品登録にはルールがあって、宣伝のための文言(「おしゃれ」、「70%OFF!」など)を商品名として記載することはできない。また、メーカーブランド名は最初に表記すべきとされている。多くの場合見過ごされているが、改めなければならない。

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正しく表記されている例が左で、数々のルール違反を犯している例が右。「nwnizi」という、どう読めばいいのかわからないメーカー名も怪しい
 このルールを守らないすべての出品者が「バッタ屋」なのかと言われれば、そうとまでは言い切れないのが現状である。悪意のない出品者にしても、日本国内の別のECサイト、たとえば「楽天市場」での販売経験があると、どうしても商品名を修飾だらけにしてしまいがちだ。

 とはいえ、Amazonの提示するルールに則っているかどうかは、出品者が信頼に値するかどうかを測る重要な要素であることは間違いない。覚えておくと役に立つこともあるだろう。

Amazonに登録する商品写真のルール

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メイン画像」として実商品以外を写すのは誠実ではなく、左の画像のようにするのが正しい。例外として「服・ファッション」のカテゴリでは、メイン画像として着用中の姿を示すこともできる
 表示されるメイン画像の体裁は商品によってまちまちだが、実はここにもルールがある。Amazonはマーケットプレイスの出品者向けに、「出品大学」というコンテンツを公開しており、そこでは商品画像の掲載に関する細やかなルールを説明している。

 新しい商品を登録する際に追加できるのは、「メイン画像」(1枚・必須)と「サブ画像」(最大8枚)の2種類となる。

 このうち、「メイン画像」は白背景で、商品以外の画像を写してはいけないというルールがある。ここでは文字による商品紹介も許容されない。したがって、検索結果の一覧画面にゴテゴテした画像が表示されている商品は、本来それだけでアウトなのである。

 広告チラシに載るような写真と文言は、サブ画像としてなら使っていいことになっている。商品名同様、これらのルールを守っている商品の出品者は、概ね信頼できると考えていいだろう。

「配送料無料」の落とし穴

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1個だけ購入する場合は配送料無料の格安ケーブル。しかし同時に複数購入しようとすると配送料が生じ、結果として割高になる
 ところで数年来、世界中のiPhoneユーザーを悩ませているのが、通信・充電に使う「Lightningケーブル」のヤワさだ。運が悪いと、正規品でも1か月保たずに接触不良を起こすことがある。

 これを「消耗品だ」と割り切って、Amazonで調達している人も多いかと思う。高いものを買ったってどうせすぐに壊れるのだから、Amazonで「Lightningケーブル」と入力して検索し、「配送料無料」と表示されている一番安い商品を注文したくなるのが人情だ。しかし、ここにも落とし穴が。

 格安商品を買う際、欲張って数量に「2」以上を選択すると、会計に配送料が加わってしまうことがある。配送料無料なのは商品数が「1」のときだけ、というカラクリだ。実費を越える金額設定になっていることも少なくない。

 Amazonマーケットプレイスの商品には、このミスを誘っているとしか思えない値付けの品もある。さらには激安商品の場合、「1個」で注文しても何も送ってこない業者さえ存在している。

 Amazonへの申立を行えば返金が行われるものの、業者側の主張はあくまで「郵便事故」。手間と時間の浪費、なおかつ個人情報の悪用を懸念するなら、相場よりも著しく安いバルク品の購入は避けたほうが無難だろう。

どうして古本が1円なのか

 Amazonマーケットプレイスの激安商品といえば、古本や中古のゲームソフトが挙がる。プレミアのついたものや人気作品以外となると、「1円」という極端な値付けがされていることも少なくない。

 もっとも大正時代の「円本」のように、実際に1円で本が買えるわけではない。これらの商品には必ず配送料がかかるため、実際の費用は300円以上となる。古書を扱うマーケットプレイスは、ここで利益を出しているのだ。また他の商品のように、「まとめ買い」で送料を節約することもできない。

 したがって多くの場合、実際の古本屋を訪れて直接買ったほうが安くつく。同時に、多くの図書に「1円」という値札が付いていることに関しては、古書文化を愛する層から非難の声もあがっている。

 それでも、Amazonの検索性の高さは大きな魅力だ。発売から10年や20年が経過し、とっくに絶版になった和書を手軽に見つけられるのはAmazonだけである。思い出の本と再会できる喜びはやはり大きい。実在する中古書店のマーケットプレイスであれば、安心して買い物することができるだろう。

個人情報が抜かれているという噂も

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 そもそもAmazonに登録した時点で、「個人情報流出」のリスクとは無縁でいられない。「実名を入力するなんてもってのほか」という、2000年代インターネット的な警戒心を保ったままでは、もはや生活が立ち行かない時代になってしまった。

 身もふたもないことを言うと、このリスクを最小化したいなら、マーケットプレイス全般の利用を控えるべきかもしれない。

 商品を送らない詐欺業者が、実在する日本人の住所氏名を偽っていたという疑惑もある。その個人情報を得た場所も、Amazonに開設した別名義のマーケットプレイスだというのだ。そうなると、「安全なマーケットプレイス」を見極めること自体が不可能になる。

 なお、Amazonは審査の強化を通じ、悪質業者の排除に取り組んでいる。いたちごっこが続いていることには変わりないようだが、個人情報を預ける側としては、より一層の「浄化」に期待したいところである。

TEXTジャンヤー宇都>

【ジャンヤー宇都】

「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆

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