ウルブス戦の前半に緊急投入された南野は「ふくらはぎに違和感を感じていた」

 リバプールは現地時間23日、プレミアリーグ第24節でウォルバーハンプトンと対戦し、敵地で2-1と勝利を収めた。セネガル代表FWサディオ・マネが前半で負傷するアクシデントに見舞われるなか、日本代表MF南野拓実が緊急投入されてリーグ戦デビュー。試合終了までピッチに立ち続けたが、ユルゲン・クロップ監督は「南野はハーフタイムに治療が必要な状況だった」と、ふくらはぎに違和感を抱えながらプレーしていたことを明かしている。

 前節終了時点で21勝1分とリーグ戦無敗で首位を独走するリバプール1月1日付けで加入した南野は、11日の第22節トットナム戦(1-0)、19日の第23節マンチェスター・ユナイテッド戦(2-0)でベンチ入りするも、リーグ戦デビューはお預けとなっていた。しかし、ウルブス戦では思わぬ形でその瞬間が訪れる。

 前半8分にイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンの一撃で先制したリバプールだったが、同31分過ぎにアクシデントが発生。セネガル代表FWサディオ・マネピッチ座り込み、自ら負傷による交代を申し出た。この緊急事態で声をかけられた南野は、すぐにユニフォーム姿となり、クロップ監督から入念な指示を受けると、ついにプレミアリーグピッチへ足を踏み入れた。

 公式戦デビューとなった5日のFAカップ3回戦エバートン戦(1-0)以来の出場となった南野は左サイドに配置されたが、後半からは右サイドハーフにポジションを変更。後半6分にカウンターから失点し同点に追いつかれたリバプールだったが、同39分にブラジル代表FWロベルト・フィルミーノが決勝点を奪い、難敵ウルブスに2-1と勝利した。

 試合後、クロップ監督は「我々の通常のシステムは攻撃的なものなので、4-4-2システムで守らなければならなかった」と、この試合では強力な攻撃陣を誇るウルブスへの対策としてシステム変更を行ったことを説明したうえで、南野について「タキは練習に加わって2、3週間経つが、最近のトレーニングでは異なるポジションに入っているし、FAカップではセンターで起用した。今は右と左のウイングに入っている」と語った。

南野の本質は「ウインガーではない。ラインの間でプレーする選手」

「彼はそこでプレーできるし、我々も必要としているが、彼の本質はウインガーではない。ラインの間でプレーする選手であり、フォーメーションの幅を拡げてくれる存在だ」と言及し、「だから、(この日は)タキにとって本当に難しかった。彼はすぐにふくらはぎに違和感を感じていて、ハーフタイムに治療が必要な状態だった」と明かしている。

 南野が違和感を抱えながらプレーしていたことを明かした一方、試合終了まで走り切ったことについて「プレミアリーグ最初の試合としては、並外れて素晴らしかった」と惜しみない賛辞も送っていた。「何事もないことを祈っている」とし、今後の検査結果次第にはなってくるが、南野にとってもデビュー直後の離脱は避けたいところだろう。(Football ZONE web編集部)

試合後、リーグ戦デビューの南野を称えるクロップ監督【写真:Getty Images】