クエンティン・タランティーノ監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で、数々の賞レースを総なめにしている俳優のブラッド・ピットサンタバーバラ国際映画祭でのトークで、過去に大ヒットSFアクション『マトリックス』の主演をオファーされて断ったことを語ったという。

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 キアヌ・リーヴス主演で大ヒットした、1999年~2003年の『マトリックス』オリジナル三部作。キアヌの代表作になったのは紛れもない事実だが、過去にニコラス・ケイジやヴァル・キルマー、ウィル・スミスなどがネオ役を断っていたことが知られている。ブラッドもその1人だった。

 同映画祭で映画評論家のレオナルドマルティンの名前を冠したマルティン・モダンマスター賞を授かったブラッド。Colliderによると、そのマルティンとのトークの中で、断った役を挙げるようリクエストされると、当初は拒否したが、「『マトリックス』を断った。赤い錠剤を飲んだんだ(「厳しい現実を見た」の意)。1つだけしか挙げないよ」と、ネオが青か赤の錠剤を選ぶ1作目の有名なシーンを引き合いに出して答えた。

 「2作目や3作目はオファーされていない。1作目だけだ。念のために言っておく」とブラッド。「自分の育ちが関係しているのかもしれないが、手に入らなかったらそれは僕のものじゃないという考えだ。(ネオ)役は決して自分のものではなかったと思う。自分のものではなかったから、誰かほかの人が演じて作品ができる。僕は心からそう信じているよ」と続けたという。

 ブラッドは「僕が断ったすばらしい作品について番組をするなら、二晩は必要だね」と、1回の番組では語り尽くせないほど、ヒット作への出演を見送ったことを示唆した。

 今となってはキアヌ以外のネオ役は考えにくいが、ブラッド演じるネオを見てみたい気がするファンは多そうだ。

『マトリックス』のネオ役を断ったブラッド・ピット (C)AFLO