北朝鮮外相に、対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会委員長を務めていた李善権(リ・ソングォン)氏が就任したことが、24日までに確認された。

国営の朝鮮中央通信は24日、外務省旧正月に合わせて北朝鮮駐在の各国外交団を招いて宴会を催したと報道。その中で「外相、李善権同志」が参加したと伝えた。

韓国の主要メディアは20日、韓国政府当局者などの情報として、北朝鮮が李容浩(リ・ヨンホ)外相の後任に李善権氏を起用したもようだと報じていた。

軍出身とされる李善権氏は、南北軍事実務会談代表を経て韓国との交渉窓口である祖国平和統一委員会委員長となり、南北高位級会談の北側首席代表を務めてきた。韓国では対南強硬派として知られ、2018年9月には文在寅大統領の特別随行員として訪朝した韓国企業のトップらに対し、「(昼食の)冷麺がのどを通るのか」と言って脅しをかけたエピソードが有名。

(参考記事:「冷麺食ってる場合か」に沈黙…韓国が北朝鮮に「低姿勢」な理由

ただ、前任者の李容浩氏が米国通とされていたのに対し、李善権氏は韓国以外との交渉経験が見当たらず、外交手腕は未知数。

2018年3月29日の南北高位級会談で握手する北朝鮮の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長(左)と韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相(統一省提供)