中国湖北省武漢市を中心に発生した新型肺炎に2次感染と3次感染の事例が報告されたことが明らかになった。中国の専門家は2月が感染のピーク期になる恐れがあると指摘した。

中国当局の発表によると、1月23日24時までに、青海とチベットを除く29の省と市で、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者830人が確認され、死亡者25人にのぼった。

CNN23日付によれば、新型肺炎の情報収集に当たっている世界保健機関(WHO)のデイビット・ハイマン(David Heymann)博士は、「2次感染と3次感染が起きている」と話した。

中国疾病管理予防センターの元副主任の楊功煥氏は23日、中国メディア「界面新聞」に対して、「2次感染の症例が報告された。症例が増えている。2020年2月が感染拡大のピーク期となると推測」と述べた。

楊氏によると、上海市と広州市では2次感染の症例が報告された。感染者は武漢市への訪問歴がない。

同氏は取材中、中国当局が新型肺炎の情報を隠ぺいしていると批判した。「政府系メディアは、真実を話さない人が『千古の罪人』だと宣伝しているが、実際に、今回多くの医療従事者が感染したという事実も長い間隠され、最近やっと報道された」

楊氏は2003年重症急性呼吸器症候群SARS)の大流行の際、国の防疫対策に携わった。「当時SARSが爆発的に感染が広がったのも、最初情報隠ぺいがあったからだ」

一方、中国衛生当局、国家衛生健康委員会は23日、「新型コロナウイルスによる肺炎の感染診療方案(試行第3版)」を各地政府に公布した。これによると、一部の重症、また危篤状態の患者が「熱は高くない」、あるいは「明らかな発熱がみられない」という。

(翻訳編集・張哲)
 

中国湖北省武漢市の武漢市医療救治センター(NOEL CELIS/AFP via Getty Images)