先週末に行われた後半戦初戦となる第20節ではセティエン新監督の初陣となったバルセロナがグラナダ相手に白星発進。また、同勝ち点で2位に位置するレアル・マドリーセビージャとの上位対決に競り勝った。一方、第2グループでは快勝した5位のヘタフェを除き、3位のアトレティコ・マドリー、6位のレアル・ソシエダ、7位のバレンシアが格下相手に敗れる波乱が起こっていた。

今節最大の注目試合は首位のバルセロナバレンシアのホームに乗り込む名門対決だ。バルベルデからセティエンに指揮官交代を図ったバルセロナは前節、後半半ばに退場者を出したグラナダを相手にボールポゼッション率80パーセントを超える、故ヨハン・クライフを崇拝するスペイン指揮官らしい戦いぶりで1-0の勝利を掴んだ。新体制最初のゴールを決めたのはエースFWメッシだったが、バルベルデ前体制でなかなか出番に恵まれなかったラ・マシアの傑物リキ・プッチラ・リーガデビューを果たすなど、早くも原点回帰ともいうべき新たなチームカラーが見られた。

ただ、メッシら主力を温存したコパ・デル・レイでは3部のイビサ相手にメンバーの配置も個性的な[3-5-2]の布陣で臨んだところ、後半半ばまで相手にリードを許す大苦戦。それでも、FWグリーズマンのドブレーテによって辛くも勝ち切って新体制2連勝となった。FWスアレスの不在に加え、新体制移行による小さな混乱は懸念材料と言えるが、前節マジョルカに1-4の大敗を喫し、調子に波があるバレンシアでは絶対的主力であるMFパレホが出場停止で不在ということもあり、敵地とはいえきっちり勝ち切りたいところだ。

公式戦18戦無敗と絶好調のマドリーは今節、残留争いに巻き込まれている15位のバジャドリーとのアウェイゲームに臨む。前節はセビージャ相手に拮抗した試合展開に持ち込まれるも、アタッカー陣が低調な中で頼れるMFカゼミロのドブレーテの活躍で競り勝つなど、FWベンゼマ依存から日替わりのヒーローが表れるなど、チームとしての総合力で勝ち切るパターンが目立っている。直近のコパ・デル・レイは主力をこぞって起用しながら3部のウニオニスタスに3-1の辛勝となったが、直近のリーガで8試合未勝利の格下相手に取りこぼす可能性は低いだろう。

順調に勝ち点を積み上げる2強に勝ち点8差を付けられたアトレティコは、PK戦の末に敗れたマドリーとのスーペル・コパ決勝以降、公式戦3連敗と大不振に陥っている。前節はエイバル相手に覇気のない戦いぶりで0-2の完敗を喫すると、直近のコパ・デル・レイでは3部のレオネッサ相手にほぼ主力を起用しながら延長戦の末に1-2で敗れ、屈辱の大金星を献上することになった。この公式戦3連敗によって再びシメオネ監督の進退問題が浮上した中、19位に低迷するレガネスとの自治州ダービーでは勝ち点3奪取が求められる。
16位エイバルのMF乾貴士、17位マジョルカのFW久保建英の日本人2選手は今節、乾が18位セルタとの残留争い直接対決、久保が6位ソシエダとの一戦に臨む。前節、クラブ史上初のアトレティコ相手の初白星に先発フル出場で貢献した乾は、1-3で敗れた直近のコパ・デル・レイを欠場しており、今回のセルタ戦でも先発起用が濃厚だ。アトレティコ戦では献身的な守備が光った一方、ボックス内で訪れた決定機を相手DFのシュートブロックで阻まれており、今回のセルタ戦では決定的な仕事を果たしリーグ連勝に導きたい。

一方、マドリード界隈ではMFウーデゴールとのレンタル組対決に注目が集まる久保だが、4-1で圧勝したバレンシア戦では久々にスタメン落ちし、直近のコパ・デル・レイで先発フル出場となったことを考えれば、引き続きベンチスタートの可能性が高い。とりわけ、MF香川真司との直接対決に注目が集まったサラゴサ戦では控え中心のメンバー構成の中でフラストレーションが溜まる展開で敗れており、個人としても消化不良の一戦となった。それだけに、こう着状態かビハインドの状況での起用が見込まれるソシエダ戦では格下相手に攻撃を活性化させる役割を期待したい。

ラ・リーガ第21節》
▽1/24(金)
《29:00》
オサスナ vs レバンテ

▽1/25(土)
《21:00》
エスパニョール vs アスレティック・ビルバオ
《24:00》
バレンシア vs バルセロナ
《26:30》
アラベス vs ビジャレアル
《29:00》
セビージャ vs グラナダ

▽1/26(日)
《20:00》
アトレティコ・マドリー vs レガネス
《22:00》
セルタ vs エイバル
《24:00》
ヘタフェ vs ベティス
《26:30》
レアル・ソシエダ vs マジョルカ
《29:00》
バジャドリー vs レアル・マドリー

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